アムロのνガンダムが強い本当の理由とは?
νガンダムは逆襲のシャアに登場したアムロレイの搭乗機である。
劇中でアムロの乗るνガンダムは、強化人間のギュネイの乗るヤクト・ドーガをあっさりと撃破し、ネオジオンの総帥シャアアズナブルのサザビーと死闘を繰り広げる。
最終的にはサザビーの脱出ポッドを捕獲し、シャアを生け捕り、その後地球に落下するアクシズをνガンダムで押し返そうとする中で、サイコフレームの共振を発動。
アクシズの落下を阻止しつつ、アムロとνガンダムは行方不明になるのだった。
アムロが劇中で「νガンダムは伊達じゃない」と言っていたが、その理由を一言で言えば、単なる超高性能機ではなく、「ガンダムタイプとしての高性能さと、ジェガン並みの高い整備性を兼ね備えた上で、高い完成度に仕上がったから」である。
それに加えてアムロの超人的な技量があったことが「νガンダムは伊達じゃない」真の理由なのだ。
これは、アムロのνガンダムへの考え方がそうさせたためである。
- νガンダムの性能について
- νガンダムは「継続戦闘力の高いMS」を目指して作られた
①νガンダムの性能について
頭頂高 | 22m |
本体重量 | 27.9t |
全備重量 | 63.0t |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
出力 | 2,980kW |
センサー有効半径 | 21,300m |
武装 | ビーム・ライフル グレネードランチャー ビーム・サーベル×2 バルカン砲×2 ニュー・ハイパー・バズーカ シールド (ビーム・キャノン、ミサイル×4) フィン・ファンネル×6 |
νガンダムはアムロが基礎設計から携わった機体であり、その一部に量産機であるジェガンのパーツを流用している。
ジェガンの性能自体は、ネオジオンの主力MSのギラ・ドーガにやや劣るが、F91の時代(宇宙世紀0123年)でも登場し、さすがにそのころには旧式扱いだが、それでも長期に渡り、連邦軍の主力機として使われるだけの安定性を持っている。
(もちろんこれにはF91の頃時代には、ジェガンを超える新型が必要なほどの戦乱なかったことや、軍縮があったことなども要因にある。)
ジェガンをはじめとする量産機は、量産型だから生産しやすい。
生産しやすいということは、使われているパーツがある一定の規格に沿って統一されており、修理などでのパーツ交換がしやすいというメリットがあるのだ。
またνガンダムの武装はシンプルなものが多い反面、機体に搭載されたサイコフレームと背部のフィンファンネルが特徴的である。
しかし、フィンファンネル自体の性能は、サザビーのファンネルと互角だし、フィンファンネルだとファンネルの利点である小型で敵に不意打ちできるというメリットがないのだ。
②νガンダムは「継続戦闘力の高いMS」を目指して作られた
上記のνガンダムの性能を踏まえて考えると、アムロのνガンダムの設計時に想定していたのは、対シャア専用MSと、その取り巻きのネオジオン部隊との(アムロ単身での)長期戦を想定して戦うことだっただろう。
その為には開発するMSには、「様々な武装や装備を充実させる一方で、破損しづらく、シンプルに使える」ことが求められるのだ。
そこでνガンダムは、シャアとの長期戦に備えて以下の考えを取り入れる。
- 機体自体の内臓武装を極力減らし、ジェネレーター出力に余裕を持たせたる(長期戦によるパワーダウンに陥らないようにするため)
⇒フィンファンネル自体にジェネレーターを内蔵することし、ファンネルの稼働時間を上げことが優先されている例 - 汎用性の高く補充しやすい武装を取りそろえる。
⇒アムロが搭乗する機体ということが前提であれば、どんな武装だろうと使えば敵の撃破は可能。 - ジェガンのパーツを流用することで、整備性を高める。
一方で、ガンダムとしての性能を強化するため、敵の攻撃に早く反応する仕組みとしてサイコフレームを搭載しているのだ。
この様な、上記で述べた「継続戦闘力の高いMS」という考えを、アムロはνガンダムの設計に反映した可能性は高い。
これは歴代ガンダムの平均値を取り出して作成しようとしたことが何よりの証拠であり、超高性能だが、整備性の悪いZガンダム系のMSを一から設計しようとしたわけではないことが示している。
とは言え入手できるのであれば、Zガンダムをアムロは欲していたし、アムロの技量なら被弾させずに運用ということもできただろうから、その考えもなかったわけではないだろう。
それでも、いつ、どこで行動を起こすかわからないシャア相手に「迅速かつ確実性であること」を重視しない機体開発であったならば、わずか3か月程度でアムロのνガンダムは完成しなかったに違いない。
仮にνガンダムが歴代ガンダムの集大成ならば、整備性は考慮しない、とにかく純粋に機体の性能だけを追求していき、化け物級のMSに仕上がってたことだろう。
(その分製造までに時間を要したはずであり、シャアの反乱に完成が間に合わない可能性も出てくる)
また、ある種その片鱗を見せたのは、ガンダムのUCで登場したユニコーンガンダムと言えそうだ。
つまりアムロのνガンダムのすごさは、「ガンダムタイプとしての高性能さを確保したうえで、圧倒的にジェガン並みの整備性を高めた機体として、非常に高い完成度で仕上がっている」点なのだ。
それに加えて、アムロレイという最高の戦闘量力を持つパイロットが搭乗するのだから、その性能と実力は言うまでもない。
おそらくこのような考えでνガンダムの開発に至る背景には、アムロ自身がガンダムに搭乗した一年戦争で、常に戦力や物資不足に悩まされつつ、シャアをはじめとする敵と戦ってきたことによる経験が大きいと思われる。
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まとめ
- 継続戦闘力の高い機体として完成した上で、アムロが搭乗したことにより、「νガンダムは伊達じゃない」ガンダムとしての評価につながった。
- νガンダムよりも性能自体が優れたガンダムは後世でも出てくる可能性はあるが、あらゆる点で完成度の高いガンダムはそう多くないだろう。