サザビーとシナンジュどちらが強いのか?
私個人としては、シナンジュが逆襲のシャアに登場したサザビーよりも強いのではないかと考える。
ガンダムUCで登場したシナンジュは圧倒的な機動力で敵を翻弄し続けられ、機体のパワーダウンにつながる武装もないため、継続戦闘力が高い。
この為、シナンジュであれば、サザビーのファンネルの回避や撃破は容易であり、シャア自身が言っていた「当たらなければ、どうということはない」ということに尽きると思うのだ。
さらにセンサー有効半径もシナンジュの方がサザビーより長いため、遭遇戦であればシナンジュが先手を取ることは容易であり、長距離からの射撃で決着がついてしまうかもしれない。
仮にサザビーに接近戦に持ち込まれてしまっても、シナンジュは自慢の機動力で距離を取ってしまえば追撃も簡単ではないはずだ。
ここでは、下記の比較項目からサザビーとシナンジュの性能比較をし、上記の考えに至る経緯を述べていこうと思う。
- 全高と重量
- 搭乗者
- 装甲材質
- 出力
- センサー有効半径
- 装備
- その他特徴
比較①全高と重量
サザビー | シナンジュ | |
全高 | 25.6m | 22.6m |
重量(機体のみ) | 30.5t | 25.2t |
重量(装備を含む) | 71.2t | 56.9t |
全高、重量ともにシナンジュの方がわずかにサザビーよりもややスリムである事が分かる。
これは技術進歩により、サイコミュ装置の小型化が進んだため、機体サイズもスリム化したことによるものである。
また、装備を含む重量となるとサザビーは機体重量の約2.3倍、シナンジュはそれでも約2.2倍にとどまりわずかに軽量である。
このことは後述の武装などを考えると、サザビーが火力を重視して作成されたことによる影響も大きいと思われる。
比較②搭乗者
サザビー | シナンジュ | |
搭乗者 | シャア・アズナブル | フルフロンタル |
作中での活躍を見ると、どちらも超人的なMS操縦技術であり、パイロットとしては甲乙つけがたく、もし互いが同じMSや武装で戦えば互角の戦いとなるのではないだろうか?
また、シャアとフルフロンタルの互いの搭乗機が入れ替わったとしても、2人とも性能以上にMSを操縦できるのは間違いないだろう。
比較③装甲材質
サザビー | シナンジュ | |
装甲素材 | ガンダリウム合金 | ガンダリウム合金 |
サザビー、シナンジュともに同素材を使われているが、ギラ・ドーガなどの一般機には、「 チタン合金セラミック複合材」が使われていることが多いため、専用機として装甲素材も優れたものを使用しているということだろう。
これは、機体の構造もムーバブルフレームを基本構造とし、サイコフレームを導入しているという点でサザビーとシナンジュは同じである。
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比較④出力
サザビー | シナンジュ | |
出力 | 3960kw | 3240kw |
出力はサザビーがシナンジュよりも高い。
これはサザビーが後述の装備や、それに関連して高出力を必要とするため重装備となることから、シナンジュよりも重量が重いことにも関連しているのだろう。
比較⑤センサー有効半径
サザビー | シナンジュ | |
センサー有効半径 | 22,600m | 23,600m |
センサー有効半径はシナンジュの方がサザビーよりも1000m長いが、これは技術進歩による性能向上のためだと思われる。
比較⑥装備
サザビー | シナンジュ | |
装備 | ビーム・ショット・ライフル ビーム・トマホーク ビーム・サーベル×2 ミサイル×3 ファンネル×6 メガ粒子砲 シールド |
60mmバルカン砲×2 (ロングバレル型)ビーム・ライフル ビーム・サーベル×2 ビーム・アックス×2 グレネード・ランチャー×1 ロケット・バズーカ×1 シールド×1 |
サザビーの武装で特筆すべきは、「ビーム・ショット・ライフル」と「メガ粒子砲」である。
ビーム・ショット・ライフルは、通常のビームライフルとして使える他、モードを切り替えることでビームの拡散発射を可能にし、近距離戦での射撃ダメージを与えられるようになっている。
またメガ粒子砲はサザビーの腹部のジェネレーターに直接つながっているため、高火力のビームを発射可能。
作中では一瞬で連邦のジェガンを溶かし、アクシズの岩盤もけずりとっていたが、エネルギー消費が激しくパワーダウンにつながったため、νガンダムに負けた一因になっているとか。
一方、シナンジュは本機の前身機であるシナンジュ・シュタインから受け継いでいる60mmバルカン砲や、フルフロンタルの意向で改造されたビーム・ライフルが特徴的である。
特にビームライフルはフルフロンタルの技量もあって長距離狙撃が可能であり、作中ではネェルアーガマのカタパルトを撃ちぬくほどの威力と射程を誇る。
これらを踏まえるとサザビーは火力を重視したラインナップの武装、接近戦への強化の意向が見られる。
一方シナンジュはオーソドックスな武装でありながらも、長距離からの強襲に始まり、接近戦でも対応可能というバランスを重視した構成になっているのではないだろうか?
比較⑦その他特徴
サザビー | シナンジュ | |
その他特徴 | アポジモーター×28 サイコフレーム搭載 頭部に脱出ポッド |
インテンション・オートマチック・システム搭載 サイコフレーム搭載 フレキシブル・スラスター MA「ネオ・ジオング」との合体機構 |
サザビーもシナンジュもサイコフレームを搭載しているが、サザビーは内部構造の「一部」のみだが、シナンジュは元々サイコフレームをメインフレームすることを想定した機体であり、様々な箇所に使われている。
これはシナンジュへのサイコフレームを用いてパイロットの操縦イメージをダイレクトに機体に反映する「インテンション・オートマチック・システム」の実装につながることとなり、MSの追従性・機動性を極限まで高める事となった。
またフレキシブル・スラスターをはじめとする無数のスラスターを搭載することで、シナンジュは従来のMSでは不可能なアクロバティックな動作が可能であり、超圧倒的な機動力を持つこととなったのだ。
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シナンジュにサザビーの様なファンネルが装備されていない5つの理由とは?
サザビーは火力を重視した機体であり、シナンジュは機動性を極限まで追求したMSだとわかったが、それでもなぜサザビーの様にファンネルを装備しなかったのだろうか?
以下ではその理由を考えてみることにした。
- パイロットのフルフロンタルがシャアの偽物だから
- シナンジュスタインの時点でファンネル装備してないから
- シナンジュには、純粋な性能だけを追い求めたから
- ネオジオングとの合体機構を想定していたから
- 演出的な都合
理由①パイロットのフルフロンタルがシャアの偽物だから
シャアの再来と言われるフルフロンタルは強化人間ではあるが、本物のニュータイプの様にファンネルを使えないのではないだろうか?
フルフロンタルがサイコフレームを搭載した機体である、シナンジュの超人的な操縦ができることや、これまでガンダムシリーズに登場した強化人間はファンネルを使うことができていることもあり、この可能性は低いものだろう。
理由②シナンジュ・スタインの時点でファンネル装備してないから
シナンジュ・スタインはアナハイムで開発していたユニコーンガンダムの前身機である。
全部で3機開発されるが、内2機がジオン軍残党「袖付き」に強奪され、1機がシナンジュに改修され、もう1機はガンダムNT(ナラティブ)にてジオン共和国軍のゾルタンの乗機となった。
ちなみにこのシナンジュ・スタイン強奪事件は、裏取引によって襲撃が行われることが予定されていたとも言われている。
このため、シナンジュ・シュタインをシナンジュへ改修する際にファンネルの搭載は検討されず、「フルフロンタルの専用機として、シャアのカラーリングに変更する程度で十分」という認識だったのかもしれない。
そもそもシナンジュは、サイコフレームの強度や追従性をテストすることが目的で作られた機体であり、その時点で超高機動な機体として出来上がっていた。
このため袖付きとしては、すでに仕上がっている戦力として、特に機体に手を加えることなく、そのまま運用する方針に決まっていったのだろう。
また、敵対勢力のMSにファンネル搭載機がいることは想定しない、もしくはファンネル実装に当たり袖付きとしては、それに対応する設備や場所もなかったのだろう。。
逆襲のシャアでは、シャアは意図してサイコフレームの情報をアムロのνガンダム開発チームに流し、ファンネルを搭載したサザビーと対等な、アナハイムでファンネル付きのνガンダムを開発させることに成功した。
これはアムロもシャアと対等以上に戦う必要があるという考えもあったからだろうし、袖付きやフロンタルはシナンジュ・シュタインを奪った際に、その様なことを憂慮する必要は皆無だったに違いない。
理由③シナンジュには、純粋な性能だけを追い求めたから
シャアは、これまでシャアザク、ズゴック、ジオング、リックディアス、百式、サザビーなどの機体に乗ってきた。
だが結果として、サイコミュ兵器を搭載したジオング、ファンネルを搭載したサザビーでも、アムロに勝つことはできなかった。
それを踏まえると、シャアの再来であるフルフロンタルは「純粋なMSの性能差が勝敗の決定的要因」であることに気が付いたのではなかろうか?
このためファンネルの様な「小細工」は抜きにして、「性能だけを高めた機体が必要」という考えに行きついた可能性は高い。
そしてこれを実現させたのが、シナンジュに搭載した「インテンション・オートマチック・システム」であり、作中では、圧倒的な高機動と動作を発揮したのだ。
このシナンジュの圧倒的な機動力でどうとでもなると考えていた場合、むしろファンネルなどのサイコミュ兵器を搭載することは、機体の重量を増やすことにつながり、機動性にも影響を与えてしまうため、実装しないという判断につながるのは容易に想像できる話である。
理由④ネオジオングとの合体機構を想定していたから
ガンダムユニコーンでの最終決戦で、シナンジュはハルユニットと呼ばれるパーツを装備し、MA「ネオジオング」としてバナージたちの前に立ちふさがる。
この時にもしシナンジュがファンネルを装備していたら、物理的に引っかかったり、ハルユニット内部でファンネルが暴走したりという可能性もあったのではないだろうか?
また、ネオジオングの性能的にサイコシャドーによる敵機への干渉性能で、ユニコーンやバンシィを自壊に追い込むほどに強いのに、その上ファンネルまでつけたら「やりすぎ」ということになったのかもしれない。
さらに言えば、サイコシャドー発動と自機のファンネルとの相性の問題もあるのだろう。
理由⑤演出的な都合
遠距離からファンネルを使うのは便利だが、接近戦の様な迫力ある映像にならないから。
これは逆襲のシャアでも、最終的にサザビーとアムロのνガンダムの決着が、遠距離からのファンネルの打ち合いではなく、すべての武装を使いきったうえでの、至近距離でのMSによる肉弾戦で決まっていたことが証明している。
このシーンは激熱であり、ガンダムの歴史に残る名シーンである。
それならば、シナンジュもすべての武装を使いきったうえで、肉弾戦に持ち込めばいいのでファンネルを付ければよいという話にもなりそうである。
しかし、シャアのサザビーは違う演出にしたかったため、あえてシナンジュにはファンネルを装備させなかったのかもしれない。
まとめ
サザビーは「パワーや接近戦を重視したサイコミュ兵器MS」であり、シナンジュは「サイコフレームを利用した圧倒的な機動力に特化したMS」と言えるだろう。
その上で両者の性能を比較すると、シャアとフルフロンタルのパイロットの腕は互角であるため、シナンジュはサザビー火力ある攻撃を圧倒的な機動力で回避しながら、徐々にサザビーへダメージを蓄積させていくことで勝利できるのではないだろうか?