アナハイム・ラボラトリー・ログのあらすじ
この作品はUC100年、ガンダム世界の一大企業、「スプーンから宇宙戦艦まで」をスローガンに掲げるアナハイム・エレクトロニクス社に関するものである。
ある時、同社では、これまで公にされていなかった新型MSの実験記録などが複数見つかったという。
政治や技術的な課題、様々な勢力の圧力などにより隠ぺいされてきたそれらの資料が、宇宙世紀1世紀のその時、遂に公となったのだ。
そして関わった技術者や軍人、ジャーナリストなどが残したその記録から、失われたはずのMSの裏側の記録「アナログ」が明らかとなる!
ガンダムMkⅢ8号機とは?
↑まずこの画像にある機体が、「ガンダムMk-Ⅲ8号機」である。(Zガンダムポイ顔をしているけど。)
カラーリングから分かる通り、いわゆるシャア専用エゥーゴに所属していた、
クワトロ・バジーナ(大尉)のイメージカラーをモチーフにした機体である。
クワトロはエゥーゴにおいて自身のリックディアスを赤で塗装し、同機のイメージからとして後に採用されることとなる。
その為エゥーゴのイメージカラーとして赤色が定着したことが、ガンダムMk-Ⅲ8号機の配色にも影響を与えたのだ。
また、8号機はクワトロ大尉の新型機としたい意向があったとされている。
(実際は配備されることはなかったが。)
ガンダムMkⅢ8号機の性能とその後
本機のベースは「強化宇宙服としての人型機動兵器」がコンセプトのガンダムMk-Ⅱである。
ティターンズから奪取されたMk-Ⅱを基に、フジタ技術長をはじめとするアナハイムの開発チームにより、これを発展させたガンダムMk-Ⅲの開発が行われたのだ。
装甲やムーバブル・フレームにガンダリウム合金を使用することで、機体を総合的に向上させることで、当時としては最新鋭の性能を誇る完成度となった。
またガンダムMk-Ⅱは複数生産され、中でも上記の8号機は百式にも採用された、耐ビーム・コーティングの廉価版を施されているのがその特徴である。
(8号機の)武装としては、肩部に装着されている2連装ビーム・キャノン、ビームサーベル、専用ロングバレルビーム・ライフルを持つ。
そして完成した8号機は、月のグラナダから旧サイド5、かつてジオン残党軍「デラーズ・フリート」があった「茨の園」付近を通り、サイド2のエゥーゴのコリアー艦隊へ移送されることとなった。
しかし、その魔の空域には、8号機の輸送・護衛を行うボイド小隊だけでなく、アクシズの強行偵察部隊、2個小隊6機の姿もあったのだ。
そして、遭遇を知らせるアラートが鳴り響く……。
感想
まず思ったのが「読みずらい」ということだ。
例えば、同文庫に掲載されている「ガオガイガーVSベターマン」などは、そのまま文章や画像が展開されるため、簡単に読めるが、この作品はPDFファイルをいちいち展開しないといけないのが面倒である。
もっともやや面倒ではあるが、フルカラーのMSの様子や、背景などまであることを踏まえると、MS資料集などと同じクオリティーであり、市販のものと変わらない上質な出来であると言えるだろう。
あと、8号機に関しては、武装がビーム兵器だけというのはいかがなものかと思う。
百式にはクレイバズーカなどの実弾兵器があったし、仮にも「ガンダム」の名を冠しているなら「バルカン」ぐらいはあってもバチは当たらないだろう。
機体の「防御」においてビーム対策をしておきながら、「攻撃」に関してビーム対策がないのが残念である。
8号機に搭乗し、Iフィールド搭載のサイコ・ガンダム辺りに出くわした日には、クワトロ大尉が涙目になるのがわかる。
しかし、8号機はアクシズとの遭遇により……。結果的に、クワトロ大尉は百式に乗り続けていて良かったのかもしれない。
また同資料では、ネモの配色(シールドはネモをそのまま使用。)のジムⅡ(エゥーゴ)や,ジムⅡのビームライフルを装備し、白をベースに一部エゥーゴのグリーンの配色の「ジム・カスタム」も記載されている。
(エゥーゴカラーのジムⅡの配色をそのまま、ジム・カスタムに塗装したような感じ。)
ジム・カスタムは何となく、ジムスナイパーを連想させるような配色だが、これはこれでいい。
一方、ネモ配色のジムⅡは、もうネモでいいと思う。
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まとめ
- アナハイム・ラボラトリーのPDFファイルでの閲覧が面倒だが、市販のMS設定集と変わらない上質な作品であり、一見の価値がある。
- ガンダムMkⅢにも実弾を!せめてバルカンポットがあれば…。
- そして、シャア(クワトロ大尉)は「ガンダム」の名を冠した機体に乗ることはなく、8号機はジオンの怨念渦巻く最中へ消えていったのだった。