シャア、いやエゥーゴのクワトロバジーナ大尉専用機として開発された、「ガンダムMk-Ⅲ8号機」(以下8号機)について取り上げたが、今回はその続きの話である。
それにしても月半ばで通信制限に入ってしまった著者にとって、PDFファイルを読み込むのは気の長くなる作業である。
もちろん、事細かに記載されているだけに、クオリティーが高く魅力的であり素晴らしいのだが、その点が著者にとってこの作品の唯一の不満点である。
通信制限のバカヤロー―――――!!
ガンダムMk-Ⅲ8号機の行方

クワトロ大尉専用MSのガンダムMkⅢ8号機
前回、月のグラナダで完成された8号機はサイド2のエゥーゴのコリアー艦隊へ移送されることとなり、ボイド小隊がその護衛に就いた。
そんな中、アクシズの強行偵察部隊が8号機を乗せた輸送機を襲うため交戦を開始し、今回はその戦闘の様子が公開された。
8号機を巡る交戦!!

ジムカスタム(エゥーゴカラー)
8号機を護送するボイド・スワン中尉率いるボイド小隊は、ジムカスタム2機(内1機はボイド機)、ジムⅡの3機(全機エゥーゴカラーだと思われる。)に対し、アクシズ強行偵察部隊は、リゲルグを隊長機として、ドラッツエ「改」2機、ガザC3機と、単純な戦力比では1対2と不利な状況であった。

ジムⅡ エゥーゴ(ネモ)カラー
しかし(スペースデブリなどの?)障害物をボイド小隊は活用し、ジムⅡがガザC1機を撃墜に成功するなど奮戦する。
そしてドラッツエ改も1機撃破するなど、戦力差を覆しつつあったが、挽回には至らず、ジムⅡ、僚機のジムカスタムが落とされ、ボイド機のそれも破損し、窮地に追い込まれるのである。
ガンダムMkⅢ8号機起動!!

ガンダムMkⅢ8号機と交戦するリゲルグ&ドラッツェ改
全滅か降伏かを迫られたボイド小隊だったが、ボイド中尉は積み荷の8号機で、再度出撃をすることを決断する。
8号機の機動力と火力は圧倒的で、瞬く間に残りのドラッツエ改も撃破した。
形勢を逆転されたアクシズ強行偵察部隊は、巻き返すためリゲルグもろとも8号機を消滅させる作戦を敢行しガザC(2機?)が砲撃をかける!!
リゲルグと8号機はともに爆散したかに思われたが、8号機はリゲルグを盾にすることで撃墜を免れ、その機動性と火力で残りのガザCを撃破するのであった。
こうして辛うじて8号機の機密は守られたが、破損は酷くコリアー艦隊へ移送は中止となり、結局グラナダへ帰還を余儀なくされる……。
なんだか、NT1アレックスと同じような結末である。(最もあちらは映像化もされたし、待遇的には上だが。)
やはりシャアがガンダムに乗るというのは、許されない圧力がある公式化しづらいのかもしれない……。
(その逆にアムロがザク系に乗るというのも考えられないか。)
アクシズ強行偵察部隊のMS
ガンダムMkⅢ8号機を追撃してきたアクシズ強行偵察部隊のMSは以下の機体を使っていた。
- リゲルグ(一般機)
- ドラッツェ改(重装備型)
①リゲルグ(一般機)

リゲルグ(一般機)
リゲルグと言えば、ZZガンダムに登場した(イリアの乗機である)赤いカラーリングが特徴な機体であるが、今回登場したそれはゲルググカラーである。
肩部が大型の「ウィング・バインダー」を装備しているのがリゲルグの特徴と言えるが、このリゲルグには2タイプある。
イリアの乗機はしたのは(おそらく)新たに開発された「指揮官専用機」であるのに対し、今回登場した一般機は在来機(のゲルググ)をベースにした「新兵訓練機」に近いものなのだ。
また、アクシズの強行偵察部隊に配備されたリゲルグは、母艦から離れて活動することが前提であるため、

ゲルググM(海兵隊仕様)
長時間活動できるゲルググM(海兵隊仕様)のバックパックを使用しているのもその特徴である。
(このため、新兵訓練機と全く同じとは言えず、それに比べて長時間戦闘ができるのが優れている点と言える。)
戦闘を含む偵察を行うため、本機は単発式グレネード・ランチャーを左に固定装備、主武装としてブルバップ式360㎜ロケット砲も装備している。
あくまで偵察が主であると思われるが、敵との交戦も視野に入れた場合、即座に殲滅することがコンセプトとなっているのだろう。
それ故に、威力の高い実弾兵器が武装となっていると思う。
しかし長期戦闘になる恐れもあるのだから、マシンガン系やビームバズーカなど、もう少し武装バランスが良くてもいいのではないかと個人的には思う次第。
②ドラッツェ改(重装備型)

ドラッツェ改(重装備型)
0083に登場した、使い物にならない機体をつぎはぎして造られたゴミ機体ドラッツエを強化した機体が、ドラッツェ改である。
ドラッツェの肩部を、宇宙突撃艇のスラスターに変更し、機動力が低下したが加速性能に優れる。
(言うなればスタートダッシュは早いけど息切れしやすいということか?)
また右腕部は固定武装(40mmバルカン砲とビームサーベル)から、マニュピレータへと変更され、ザク・マシンガンへと武装変更となる。
これが一般的な(?)ドラッツエ改だが、本機はこの機体の重武装タイプである。
右手に大型ガトリングを持ち、左手にはシールド機能を犠牲にし(を改造して)シュツルム・ファウスト、両脚部には3連装ミサイル・ポッド4基を備える。
またドラッツエ改は以下の様な問題点を抱えているといえよう。
- 機動性
- 装甲
問題点①機動性
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「重量増が影響して機動性はやや落ちたものの、火力の面では充分過ぎる強化が施されている。」
と解説には、「このドラッツエ改の重武装タイプは少し難点あるけど良い奴なんだよー」と、まるで褒めているかのような記述があるがそれは違う!!
火力の面では充分というのは認めるが、ドラッツエの時点でMSにも劣る、「ゴミみたいな機動性」だった機体である。
それの機動性をさらに犠牲にした「ドラッツエ改」(加速性能は上がったとはいえ)
そしてさらに機動性を棄てた「ドラッツエ改重武装型」
もはやドラッツエに「機動性なんてどうでもいい」と思っているに違いないのだ。やけくそである。
火力も確かにMSに比べ酷かったのは事実だが、本当に目を向けるべきはそれではなく、機動性だという事は明らかなのに、その弱点は克服せず火力に逃げた。
つまり、あの解説は「重量増が影響して「今さらどうでもいい」機動性はやや落ちたものの「問題ではなく」、火力の面では充分過ぎる強化が施されている。機動性に回せよバカ!!」
と解釈するべきなのである。
マイナーでゴミみたいな性能のドラッツエさんに活躍の機会を与えてくださるのはありがたい。
ですが、ドラッツエ改で「武装を強化」したのなら、次は「高機動型」とかにするのが筋なんじゃあないですか?アクシズさん!!
と著者は強く言いたいのだ。
問題点②装甲
さらに言えば、ドラッツエ自体MSよりも装甲が厚いとは言えず(著者の主観による)、ドラッツエ改を見てもその薄そうな装甲の問題点は改善されていないように見える。
そんなドラッツエ改に武装だけ強化を施し、重装備にしても攻撃を食らえば一発アウトである。
(赤い人は「当たらなければどうとry」と言っているが機動性が確保されていれば、それが可能でも、本機は機動力も捨てた機体である。無理。)
概して、重装備型とは装甲強度も高める工夫がなされているものだが、本機では防御用のシールドに武装を施し(これである意味防御力を上げている?)ている程度で機動性と同様に装甲に関してノータッチである。
同じ重武装?でもMAやらフルアーマー〇○などは機動力はなくても、その分Iフィールドや、バリアなど何かしら装甲、防御に工夫がなされているが、本機は悲しいまでに見捨てられている。
もっとも、これまでだってそんな悲しい宿命を背負った機体はたくさんあったので、(ボールとかオッゴとか)
その一つだと言われればそれまでだが、哀愁漂う機体である。
まとめ
- ガンダムMk-Ⅲ8号機はNT1アレックスの様な最期を迎えたが、シャアがガンダムに乗るのはどうか?という事で公式化されなかった不遇な機体かも?
⇒アムロ「ガンダムは俺のものだ!!シャア!!」 - リゲルグ(一般機)は新兵訓練機を長期戦闘可能&敵の即座殲滅可能な偵察機仕様にしたもの、指揮官機とは違う。
⇒でも武装はバランスよく持ったほうが良いですぜ。 - ドラッツエ改(重装備型)は火力強化に逃げ、ゴミみたいな機動性を諦めた。火力も良いけど、何とかしようよ機動性!!(あと装甲も。)






