ガンダムでIフィールドと言えばビームバリアだが……。
「機動戦士ガンダムシリーズ」で「敵の攻撃を防ぐバリア」と言えば、(実質的に)ビーム兵器を無効にする、「Iフィールド」を思い浮かべる人が多いのではないだろうか?
『∀ガンダム』に登場する∀ガンダムをはじめとするMSのIフィールドは、ビームだけでなく実弾兵器等も防げるとされ、まさに「無敵のバリア」となっている。
そんなIフィールドだが、結論から言って、「Iフィールド」の「I」の略が何を示しているのかは現在は設定されていないようだ。
しかしながら、ファンや一部ではその意味を考えようといろいろ言われているのである。
今回はそんな謎多きIフィールドの「I」についての意味として挙げられているものをまとめてみることにした。
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Iフィールドの「I」の由来について2つの有力説
- 有力説①イヨネスコ博士の名前から命名
- 有力説②イオンクラフト(イオノクラフト)から、イオンフィールド=Iフィールドと命名
有力説①イヨネスコ博士の名前から命名
そもそも「Iフィールド」とは、ミノフスキー粒子が立方格子状に整列した状態で、無数に集まっている場のことである。
Iフィールドの元?となる、ミノフスキー粒子をはじめとする『ミノフスキー物理学』を提唱した人物こそ、トレノフ・Y・ミノフスキー博士である。
(ちなみに博士の人物モデルは富野由悠季監督であると言われており、富野監督が好きな粒子⇒トミノスキな粒子⇒ミノフスキー粒子になったという背景がうわさされている。)
また、ミノフスキー博士と共同研究を行っていた人物こそ、イヨネスコ博士だったのだ。
イヨネスコ博士は、ミノフスキー博士の没後、理論的に可能であったIフィールドの性質を利用し、MSに搭載できるほどの小型反応炉「ミノフスキー・イヨネスコ熱核融合炉」を実用化させたのである。
Iフィールドはミノフスキー粒子から構成されているから、本来ならミノフスキー博士の名前から「Mフィールド」と名付けるのが正しい気もするが。
ともかく、ミノフスキー博士の理論をイヨネスコ博士が「実用化」したという功績の方が大きく認められたということがあり、イヨネスコ博士の名前を取って「Iフィールド」としたということも考えられるのではないだろうか?
(もしくはミノフスキー博士の功績を自分の手柄として大々的に発表したとか。)
しかしながら一説にはイヨネスコ博士の名前のイニシャルは「Y」という表記だともされており、
この場合由来にはならないだろう。
有力説②イオンクラフト(イオノクラフト)から、イオンフィールド=Iフィールド説
イオンクラフトとは、ビーフェルド-ブラウン効果により、イオン風を作り出し、浮上して空中を飛行する装置のことでリフターとも呼ばれる。
またビーフェルド-ブラウン効果とは、電極に電圧をかけ、放電させることでイオン化した気体の移動により、電極に推力が発生しているように見える現象のことでイオンクラフトの原理のことである。
この原理は、ガンダム世界で、ホワイトベースが浮いたり、『Vガンダム』(以降でMSが長時間)上空を飛ぶことができる技術、「ミノフスキークラフト(ドライブ)」と類似するといえる。
ミノフスキークラフトとは、Iフィールド同士による反発力によって、浮力を発生させる仕組みである。
そこで、ミノフスキークラフトの大元の原理「Iフィールド」はイオンクラフトに類似する可能性を含むことからIフィールドの「I」は「イオンクラフト」という意味としてもおかしくはないだろう。
しかしながら、「ミノフスキークラフト」は、「Iフィールド」よりも後にできたものと考えるのが通常である。
このため仮説の域を出ないが、ミノフスキー博士(イヨネスコ博士も?)は、Iフィールドの前提たる、ミノフスキー粒子が、「何かしらイオンクラフトに通づるものがある」という事を意識しながら、研究をしていたと思われる。
その他の諸説
現実的に考えうるものから、夢やロマンがあるものまで、Iフィールドの「I」について考えられるものをまとめてみた。
- 物理学的要素から、Inertia(慣性,惰性)という意味。
- 茨城
- 愛(哀)
- 英語の主語「I」から、私の場所=Iフィールド=ATフィールド
- インターナショナル
- イナバウワー
- ELIZA(イライザ)(初期の素朴な自然言語処理プログラムの1つ。 対話型(インタラクティブ)だが、音声会話システムではない。)
- 芋
- イデ
⇒『伝説巨人イデオン』は富野氏の作品だし、イデオンも「イデバリア」というバリアをもっていたため、『機動戦士ガンダム』と関連づけた、後づけ設定となる可能性は否定できない。ちなみに、ガンダム1979年公開、イデオン1980年。 - 妹
- 今
- INAX
- Initialize(イニシャライズ):初期化、初期の意味。
⇒多くのMSにIフィールドはなくてはならない存在だから、案外あり得る。
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Iフィールドを搭載しているMSやMA
Iフィールドを搭載している機体は次の様なものがある。
またここ上げる機体はあくまで、敵からの攻撃をIフィールドで防御を行うことができる「Iフィールド・ジェネレータ」を持つもの示している。
- ビグ・ザム
- GP03デンドロビウム
- ノイエ・ジール
- サイコ・ガンダム
- サイコガンダムMK-2
- Ex-sガンダム
- クィン・マンサ
- νガンダム
- ユニコーンガンダム
- バンシィ
- フェネクス
- アハヴァ・アジール
- クロスボーンガンダムX3
- クロスボーンガンダムX1改・改フルクロス
- V2アサルトガンダム(V2アサルトバスターも)
- スモー(ゴールドスモーも)
- ∀ガンダム
- ターンX
⇒この中でもIフィールド搭載機として異質なのはνガンダムである。
νガンダムの登場した時代UC0093年と考えると、Iフィールドはビーム兵器だけでなく、実弾も防いでおり、どこまでがIフィールドの効果によるものか怪しい。
しかしサイコフレームによる影響もある事、後継機であるユニコーンガンダムの性能を考えるとビーム兵器自体を防ぐIフィールドはあると判断し上記に記載した。
以下非公式な機体でIフィールド搭載機
- グレート・ジオング(Gジェネオリジナル)
- ゼロ・ジ・アール(若き彗星の肖像)
- ノイエ・ジール2(Gジェネオリジナル)
- グロムリン・フォズィル
- シスクード
- Hiνガンダム
- ガイア・ギア
などが挙げられる。
ちなみIフィールドを搭載している機体の必要出力としてはこちらのサイトによれば、最低3480kwの出力を必要とするとのこと。
ただし、常時Iフィールドを展開したりビームライフルなどのビーム兵器の使用を考えると最低出力では不十分とされているようだ。
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Iフィールドに類似するビームバリアとの違い
Iフィールドに似たビームを防ぐ手段として、次の様なものがあるがそれらとIフィールドはどう違うのだろうか?
- ビーム攪乱膜
- ビームコーティング
- ビームシールド
- ラミネート装甲
- ゲシュマイディッヒパンツァー
- ナノラミネートアーマー
ビーム攪乱膜はそれを充填したミサイルやロケット弾を発射し、戦闘エリアにビーム撹乱幕を展開しビームを無力化するというもので、パブリクのミサイルが印象的である。
時間経過で効果がなくなるが、MSなどのジェネレータに依存しないというメリットがある。
しかしながら、戦闘エリアにビーム撹乱幕を展開する仕組みである以上、攻撃を仕掛ける側もビーム兵器を使うことができないという問題点や、散布エリア外では無意味である。
また時代が進む中でジェネレータの高性能化も進んでIフィールド搭載が容易になったことなどから次第に姿を消していったものと思われる。
ビームコーティングは、機体本体や実体式シールドに塗られる特殊塗料で、ビーム兵器の威力を数発程度中和する効果があり、百式やフェネクスなどがその例である。
このためIフィールドの様にビーム兵器を完全に防げるわけではないため、気休めにしかならないものである。
ビームシールドはU.C.0110年頃に実用化され、中央に位置する発生器から膜状に展開した「シールドビーム」を盾とする装備である。
これはビームサーベルの性質を利用したものであり、ビームだけでなく、ある程度の実弾兵器も防ぐことが可能。
Iフィールド搭載機はジェネレータ出力の関係上、機体サイズが巨大になる傾向があるなどの問題点を克服した、実体式シールドよりも高性能なシールドとして位置づけられている。
このビームシールドは宇宙世紀のみならず、SEEDなどのコズミック・イラ、00の西暦でも採用されている。
ラミネート装甲は、ビーム攻撃のエネルギーを熱変換し、装甲全体に熱を拡散することでダメージを軽減するというものアークエンジェルやドミニオンなどの戦艦だけでなく、フリーダム、ジャスティスなどのMSにも使用されている。
Iフィールドとは違い、ジェネレータ出力には影響を受けないが、熱変換しきれないほどのビーム攻撃を受けた場合には軽減効果がなく、ダメージを受けてしまうようだ。
ゲシュマイディッヒパンツァーは、SEED版のIフィールドの様なもので主にフォビドゥンガンダムに装備された。
可視光線や電磁波を偏向する特殊粒子「ミラージュコロイド」の技術を応用したビーム防御で、磁場によって歪曲させることでビーム攻撃を防ぐものである。
ナノラミネートアーマーはエイハブ・リアクターのエイハブ・ウェーブに反応することでビーム兵器や実弾射撃に対して防御力を誇る金属塗料であり、オルフェンズ世界ではガンダムバルバトスをはじめ、ほとんどのMSに使用されている。
断続的な衝撃や熱などが弱点だが、オルフェンズ世界ではMAハッシュマルしかビーム攻撃をしなかったため、ビーム攻撃への耐久度はIフィールド以上なのかは不明である。
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戦艦でIフィールドを搭載しているものが少ない4つの理由
ソレイユなど一部の戦艦ではIフィールドを搭載しているものがある。
戦艦のジェネレータ出力ならば、MSとは違い出力不足ということも少ないと思われ、もっと多くの戦艦にIフィールドが搭載してあってもよさそうなものである。
しかしながら全体的にIフィールドを搭載している戦艦は少ない傾向にあるのはどういうわけなのだろうか?
- 製造コストが高すぎるから
- MSとの連携があるから
- 通信障害などのリスクがあるから
- Iフィールドを搭載しても無意味だから
理由①製造コストが高すぎるから
上記でIフィールド搭載機を述べてきたがいずれも一品物の高性能機ばかりにIフィールドが搭載されている。
戦艦ともなればサイズも規模もMSやMAよりも膨らみ、コスト面で実施がためらわれるのかもしれない。
理由②MSとの連携があるから
ガンダム世界の戦艦は基本的にMSを運用することが前提となっているものが多く、攻撃、防御をMSに任せている。
この為ビームしか防げないIフィールドを搭載するくらいならMSを多く搭載し、敵を近づけない方が効率的と考えられているのだろう。
また戦艦に肉薄した敵からMS隊に護衛してもらう際に、Iフィールドを展開していると邪魔にもなり、MSとの連携を阻害する可能性もあるのだ。
理由③通信障害などのリスクがあるから
戦艦は味方との通信や敵の索敵などの役割があるが、それを果たすためにセンサーは最も重要である。
しかしIフィールドはそれらセンサー類の動作に障害を及ぼす可能性があるため、搭載されていないのだ。
理由④Iフィールドを搭載しても無意味だから
戦艦の弱点はブリッジであり、どんなに強力な戦艦でもブリッジに被弾すれば即終了であるし、敵の戦艦などからの高出力のビームはIフィールドを貫通してしまうだろう。
このことから、Iフィールドを搭載するだけのメリットが存在しないのではないだろうか?
Iフィールドはどの程度のビーム攻撃までなら防げるのか?
Iフィールドはどの程度のビーム攻撃までなら防げるのだろうか?
ビグザムはソロモンを取り囲むサラミスやマゼランの砲撃をものともしていなかったり、ノイエ・ジールのクローでIフィールド・ジェネレータを壊されるまでデンドロビウムはビーム攻撃を防ぎきっていた。
なので、ジェネレータの出力さえあれば、ビームライフルは当然として、戦艦のメガ粒子砲、MAのビーム攻撃程度なら防げるようだ。
ユニコーンガンダムはコロニーレーザーの直撃をも防いでいたが、バンシィの協力やサイコフレームの影響が非常に大きかったため例外だといえよう。
このことから考えるとジェネレータ出力やビーム攻撃の命中箇所にもよるが、Iフィールドで防げるビーム攻撃は「ビームライフル、メガ粒子砲<Iフィールド<コロニレーザー」というところではないだろうか?
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まとめ
- Iフィールドの「I」の略は不明だが、有力説は存在し、それ以外にもロマンや納得できそうなものも多い。
- 戦艦にIフィールド搭載が少ないのは様々な理由があったから。
- ビームシールドなどIフィールドと比べて一長一短なビーム防御方法は多くある。
- Iフィールドはビームライフル以上コロニーレーザー未満のビーム攻撃を防げる。
- 少し謎が残る方がおもしろく、ガンダムの魅力を引き立てる。
というところだろう。
今後「I」の略が公式で設定されるかもしれないが、それはそれでいいし、このまま分からないでも一興である。