サザビーのコクピットが頭部にある4つの理由。
MSN-04サザビーと言えば、シャアこと、キャスバルが搭乗した新生ネオジオンの総帥機であり、従来からのジオン系MSの集大成ともいうべき傑作機である。
逆シャアの劇中ではアムロのリ・ガズィにはその性能を生かし有利に立ったものの、アムロとの再戦、彼の駆るνガンダムとは互角の激闘を繰り広げることとなるが、結局νガンダムにタコ殴りにされるだけの情けない姿をさらすことになった。
なお、サザビーから脱出した頭部コクピットは、νガンダムの全長と同じくらいのサイズという不思議な現象が起きたことは有名である。
今回は情けない部分もありながら、それでもカッコいいサザビーのコクピットが頭部についた理由について考えてみたい。
- 富野由悠季監督の指示。
- 1年戦争でのアムロとの戦いの経験から。
- リックディアスへの思い入れもあったから?
- サザビーの機体の特徴のせい?
理由①富野由悠季監督の指示。
元も子もない理由だが、一言で言ってしまえばこれである。
どんなにシャアが優れていようと、その生みの親である富野氏に敵うことはなく、サザビーのデザインも富野氏の意見が大きく反映されていることは想像に難くない。
それでも、プロトタイプのサザビーは腹部にコクピットがあったのだが、指示に変更があったということなのだろう。
理由②1年戦争でのアムロとの戦いの経験から。
サザビーもシャアが乗る前提のニュータイプ専用機であるが、1年戦争でもニュータイプ用の機体、すなわちジオングに搭乗している。
ジオングも普通のMS同様腹部(と頭部)にもコックピットがあるのだが、シャアはわざわざ胸部から頭部へと乗る場所を移動して戦っていた。
この結果、ア・バオア・クーで戦うこととなったアムロのガンダムが放ったビームライフルは腹部は直撃するも、シャアは頭部にいたおかげで、ジオングは頭部のみで戦闘を継続できたのである。
(頭部のみの状態でガンダムの頭を破壊しているし)
この経験からシャアは「アムロと戦う時は、頭部にいたほうが有利なのかも?」と思ったのかもしれない。
一方のアムロもデニムのザクを倒す時から「腹部のコックピット」を狙うように意識している?ようにも思えるし、ガンダムの頭部が破壊されても「たかがメインカメラ」と頭部をそこまで重要していない(=腹部がコクピットという認識が強い)という節が見られるのである。
もっとも、たかがメインカメラのくだりは、シャアに負けるわけにはいかないという気持ちから出ただけかもしれないが。
理由③リックディアスへの思い入れもあったから?
きっとジオングでの頭部コクピット経験から、次作のZガンダムでもリックディアスの頭部タイプのコックピットはシャア、いやクワトロ大尉は気に入ったに違いない。
カラーリングも含めて。
(リックディアスの開発にも関わった面もあり、クワトロの頭部コックピットへのこだわりが反映された?)
一方Zガンダムでクワトロの乗機になった百式は、機動性に優れるが、アクシズやティターンズのMSに徐々に力負けしている部分もみられ、しまいには、元カノのハマーンに肢体を撃破された姿にされて、みじめな様をさらすこととなる。
(全然100年も持たないじゃん。)
このことからも、「やっぱり、腹部コクピットのMSはろくでもない」というトラウマ?をシャアに与えることになったのだろう。
理由④サザビーの機体の特徴のせい?
新生ネオジオンの総帥となったシャアは、アムロと対等に戦える機体の開発を目指して、自身の考えを大きく反映させた機体としてサザビーを完成させたことだろう。
これまでの流れからアムロと戦う時は腹部より、頭部コクピットが良いと考えるのは自然な流れである。
なにより、サザビーには腹部にメガ粒子砲が搭載されていて、かつてのジオングヘッドのビーム砲よりも頭部コクピットに備え付けるには危険すぎる代物である。
(威力はジェガンを瞬時に焼き払えることを見ればわかる通り。)
威力はあるが危険なメガ粒子砲は必要なので副砲につけ、自身はアムロと戦うことを念頭に頭部にコクピットを!!という意図があったのだろう。
(頭部にメガ粒子砲だとどこぞのZZガンダムと被るし。)
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まとめ
しかし、どこぞのガンダムファイターの様にキングオブニュータイプたるアムロ・レイには「同じ手は2度通用しなかった」のである。
シャアとの戦いにけりをつけるべく、アムロはサザビーの頭部コックピットをつかんで離さず、アクシズのまばゆい光とともにどこかへ消えていったのであった。