Gジェネレーションアドバンスの3つの魅力
かつて、GBAで「ジージェネレーションアドバンス」というカセットが出た。
私にとってこのカセットが「Gジェネ」シリーズとの初めての出会いだった。
GBAというハードは性能がお世辞にも高いとは言えないものの、このゲームは独特の展開や設定、原作ではマイナーなキャラの大活躍などのうれしい仕様で、とても魅力的な作品だといえよう。
現に、ゲームwikiでも「ジージェネレーションアドバンス」は良作とされている。
本来ならプレーの様子などを紹介したいところだが今回は、このゲームの攻略本『SDガンダム ジージェネレーション アドバンス コンプリートガイド』からこのゲームの魅力的なポイントを紹介できればと思う。
ちなみに責任編集が、「大丈夫?ファミ通だよ!?」なファミ通ではあるが、この本に関して言えば、内容自体は全く問題ないと言える。
普通に攻略本としての役割を果たしてくれるので安心してほしい。
- 魅力1:程よいゲームバランス
- 魅力2:マイナーキャラにもスポットが当たっている
- 魅力3:戦艦がどうかしている(ジオンびいきな編集!!)
魅力1:程よいゲームバランス
この作品は「ファーストガンダム」と「ガンダムSEED」を中心とした世界観の作品である。
初代ガンダムとストライクガンダムが登場するCE世界では、釣り合わないのでは?と始めは思ったが、見事に調和している。
とはいえ、基本的にはガンダムSEED登場の機体の性能>ファーストガンダム登場の機体の性能となっている。
- ①原作を生かした機体の性能バランスと、良アレンジなストーリー
- ②ゲームバランスのブレイカー?「ウイングガンダム」
①原作を生かした機体の性能バランスと、良アレンジなストーリー
最初は、ガンダムSEEDの序盤からゲームが始まり、ヘリオポリスから脱出したアークエンジェルは地球に降下する。
そこでSEEDの原作ではハルバートン提督率いる第8艦隊が護衛するというものだが、このゲームではそれに代わり、ファーストガンダムの「ワッケイン」率いるルナツ―艦隊がアークエンジェルを護衛するのであった……。
ワッケインが「その時、我々に…」と言っているのは、この世界では、ガンダムSEEDのヘリオポリスが襲撃される場面より前、ファーストガンダムでの「V作戦」が発動しており、ファーストの原作同様ホワイトベースがルナツ―所属のサラミスの護衛1隻と共に地球に降下した後だったからだ。
ホワイトベースの時は十分な護衛も付けられなかったが、その後戦力が増強され、(主力にMSこそないが、)2度目であるアークエンジェルの際は、護衛戦力を引き連れて駆けつけてくれたのであった。
とは言っても、ワッケイン艦隊の主力はマゼラン・サラミスの艦艇とコアブースターであり、敵対するジオンとザフトはザクやジンと対峙するにはやや劣勢であった。
ワッケイン自体は、ゲームではとても優秀なのだが、イベントで撃墜されてしまうので残念である。
そして、アークエンジェル隊は地球に降下後、先に降下したホワイトベース隊と「砂漠地帯」で合流をめざす……。
(砂漠では「青い巨星」と「砂漠の虎」が待ち受ける夢のコラボ!!)
なお、主役機の性能だが、アークエンジェルの地球に降下直後では、ガンダム>ストライクガンダムとなっている。
なぜならストライクはビーム兵器を装備していないからである。
ガンダムSEEDの原作では、比較的早くに、エールをはじめとする「ストライカーパック」を装備し、ビーム兵器を使用している。
しかしこのゲームでは、序盤では「ストライカーパック」が装備されていない、素のストライクガンダムで戦わなければならないのだ。
(武装はバルカンみたいなイーゲルシュテルンとナイフの様なアーマーシュナイダーだけである。)
そして、ホワイトベース隊と合流後、ストライクは強化されるのである。
このように、原作にある設定を生かしつつ、バランスがうまく取れた作品となっているのだ。
②ゲームバランスのブレイカー?「ウイングガンダム」
上記のように比較的バランスのとれたゲームなのだが、少し敵が可哀想な場面もある↓
これはある宇宙ステージでの戦闘場面で「ガンダムW」登場のウィングガンダムが、ファーストガンダムの「ゲルググ」のビームライフルのダメージを受けたシーンである。(ウィングの全HPは2650)
ガンダムWのガンダムたちはやたら装甲が固いとのことなので、「原作再現」と言われればそうなのかもしれないが、いくらなんでも固すぎである。
たった75ダメージって……。
↑のプロフィールはウィングガンダムのものだが、装甲が「7」もあるのだ!!
このゲームでの装甲は1~9までの数値で、9が最高である。
しかもこの7という数値、無改造であり、このゲーム内では無改造で、装甲7以上の機体は数えるほどしか登場しないので「化け物の装甲」をMSとなっているのである。
正直↓のように戦艦より装甲が固いことにはたまげた…。
例えば、このネェル・アーガマ、装甲は「4」しかない。
武装は豊富だとは言え、装甲が薄いので、ブライトさんは大激怒間違いなし!!もう、ウィングガンダムに彼は搭乗したほうが良いだろう。
とは言え、ウィングガンダムが全体的にバランスブレイカ―かと言われると、ステージが進むごとに敵も強くなるのでそうでもない。
(このゲルググと戦うステージでは、明らかにブレイカ―だが)やはりバランスの取れているゲームである。
魅力2:マイナーキャラにもスポットが当たっている
- ①ククルス・ドアンは王者の風よ!!
- ②流派東方不敗なユニット(まんま人)
- ➂ターンAガンダムから「ローラ・ローラ」
- ④08小隊から「アイナ&ギニアス」
- ⑤ハマーン・カーン(少女)
①ククルス・ドアンは王者の風よ!!
アムロやカミーユ、キラなどこの作品でも主要なキャラは登場するが、他のゲームでは、なかなか見ないシュールなキャラクターのシーンや、参戦キャラも登場する。
この筆頭はファーストガンダムに登場した「ククルス・ドアン」ではないだろうか?
彼は機動戦士ガンダム15話「ククルス・ドアンの島」に登場する元ジオンの脱走兵である。
彼はジオン軍のMSパイロットだったが、自身の攻撃で親を失う戦争孤児を目撃し衝撃を受け、ジオンからの脱走を決意する。
そして、孤児となったその子供たちと東南アジアのある島で、世間から隠れ自給自足の生活を送っていたのである。
原作では、たった1話しか登場しないが、脱走の際乗ってきたザクで、ジオン軍の追手を幾度も撃退したり、アムロの操縦するコアファイターをドアンは自身のザクを使った「投石」で撃墜するなど、実力は相当なものである。
本来は1話しか登場しないこともあり、非常にマイナーなキャラクターの彼だが、このゲームではしっかりと登場させているのである。
↑ククルス・ドアンと彼の乗機ザクⅡである。
見てわかる通り、ただのザクⅡのはずなのに、ハイパー化して黄金の輝きを放つのだ!!
もはやザクではない。
Gガンダムに登場する「MF」である。
「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」というセリフは本当は彼のためにあるのだ!!
ドアンのザクによる飛び蹴り、まさかこんなアクションができたとは…。
こんな彼が相手では追手のジオン兵もさぞビビることだろう……。
原作ではガンキャノンも銃を撃ち尽くし、その辺に落ちていた岩を投げたりもしたが、あくまで「その場しのぎ」である。
しかし彼の場合は「武装」として岩投げを行う。
もう、怖い……。
(そういえば、MSは人型の必要なし。
と言われるが、弾切れなどの状況に臨機応変に対応するという面では、人型の方が良いのかもしれない……。)
彼の強さは宇宙でも健在。
あるイベントでは重要なキャラクターなので、入れる必要も出てくる。
ドアンさん…カッコいいス!!
↑こんなに漢なキャラだったとは……。『Gガンダム』に出てても違和感なし。
スパロボでも、いい加減出してあげるべき!!(マイナーなキャラが厚遇されるのは個人的にはうれしい限りである。)
②流派東方不敗なユニット(まんま人)
という流れで、スパロボではおなじみ?の「Gガンダム」の人物、東方不敗&ドモン・カッシュもユニットとして登場する。(1話限りだが。)
今作では、いつもの↓顔グラではなく、少し若い感じの東方不敗である。
なぜなら、東方不敗はマスターガンダムに搭乗する頃の彼ではなく、その手前、クローンガンダムに乗っていた頃の彼だからだ。
ちなみにクローンガンダムは条件を満たすと仲間として使える。
↑ドモンもガトーの駆るGP02ガンダム相手に拳をかまし、GP02も攻撃を受けのけぞる。
SDだし、画面も小さいからとはいえ、MSと人間のサイズの対比はシュールである。
MSが後ろにたじろぐほどの連打。
流派東方不敗は王者だからなのだろう!!
ちなみに↓2人のステータス。
東方不敗
ドモン
見えずらいかもしれないが2人ともHPが低く、装甲もMSに比べると当然低いので「2」しかない。
(とは言え、運動性も高いので、攻撃を避けつつ、MSも余裕で粉砕できるから問題ないが。)
人間がMSより装甲が低いのは当たり前だからいいのだが、問題の画像がある↓
これは、武装も何もないただのシャトル(輸送機)なのだが、注目して欲しいのは「装甲」である。
装甲はたったの「1」しかないのだ!!東方不敗&ドモンは輸送機よりも体が頑丈なのである!!
輸送機が貧弱なのか?彼らが強いだけなのか?これから論争が起きそうだ…。
➂ターンAガンダムから「ローラ・ローラ」
ターンAガンダムの主人公ロランが女装した姿。
イベントで条件を満たすと女装させるか選べる。
女装をさせた場合、2度とノーマルなロラン・セアックの姿に戻すことはできない。
プレイヤーの選択次第でそのままか、女性として人生を歩むかが決まってしまうのだ!!
④08小隊から「アイナ&ギニアス」
写真が見づらく申し訳ない。
これは、08小隊のアイナとギニアスが一緒に「アプアラスⅢ」に乗っている顔グラである。
どうしてこの表現にしたのか……?ゲーム画面でもこのままなので、なかなかシュールである。
⑤ハマーン・カーン(少女)
まだおっかない感じになる前の少女ハマーン。
ゲームクリア後条件を満たすと特別ステージができるようになりそこで登場する。
IDコマンドを見ても分かるように、キャスバル(ロリコン大佐)を慕っている。
少女ハマーンでプレーできる作品もそうそうないので、ハマーン様のファンは是非一度プレイするべし。
↑こちらのハマーン様もクールで良い!!あなたはどっち!?
魅力3:戦艦がどうかしている(ジオンびいきな編集!!)
この作品にも、戦艦は多く登場するが、『SDガンダム ジージェネレーション アドバンス コンプリートガイド』の本では、誤植の為か、やたら戦艦のプロフィールがおかしいことになっている。
- ①アルビオン
- ②マゼラン
- ➂グワジンとグワデン
- ④リリー・マルレーン
- ⑤最強の戦艦「ザンジバル」
①アルビオン
別に、誤植でもなんでもないのだが、左側のゲームでのアイコン(青ぽいやつ)が一目見て「アルビオンだ!!」とは思えなかった。
なんだか「カニとウニを合成したような何か」にしか見えない……。
②マゼラン
どこがおかしいか分かるだろうか?今度はアイコンの右の方に注目してほしい。これはマゼランではなく、「サラミス」となっているのだ!!
サラミスの外装をまとった「マゼラン」なんだろう。
もっとも、やられ役な友軍機(時間稼ぎな盾)なので、どうでもいいのだが。
➂グワジンとグワデン
↑は普通のグワジンである。しかし、エギュー・デラーズが乗った「グワデン」はイカサマに強化されているのである!!↓
分かりづらいが、武装の間接「大型メガ粒子砲」を見てほしい。
本来は「280×5」の威力1400が、あら不思議!?「280×55」となっており、15400のダメージを叩きだす!!
一番耐久力のある機体でもHPは9000程度なので、まともに食らえばおしまいである。
攻略本の説明にもある通り、この攻撃をやたら使用するので、回避を全力でしなければならないだろう。
この本の通りの攻撃力なら。
④リリー・マルレーン
こちらも、間接の連装メガ粒子砲が「250×55」の13750なので、恐ろしい威力である。
連邦はMSだけでなく、艦船の技術でも負けていたということか。
⑤最強の戦艦「ザンジバル」
例のごとくジオン製の戦艦は強い!!
J型ミサイル「355×33」の11715ダメージ、機関砲の「135×77」の10395ダメージ。
これが本当なら、攻撃を避けるか、無効化(ストライクやフリーダム等のフェイズシフト装甲で)しか、助かる道はない。
「間接の連装メガ粒子砲で狙われたらひとたまりもない」なんて書いてあるが、どう考えてもそれ以上の兵器があるでしょうが!!
(間接攻撃はスタックを組んでいるMSは「散開」というコマンドを選べば、スタックがバラバラになるかわりに攻撃を回避できるのだ。)
「散開」も選べない、命中率も高い機関砲で、回避しづらいホワイトベースが狙われたら、↓1回の攻撃でこうなるだろう。
「ホワイトベースとザンジバルの性能が同等」などというのは、とんだ嘘パチなのである!!
しかも、見事に誤植があるのは、ジオン側の戦艦だけだったので、編集者は間違いなくジオン派だと思われる。
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おまけ
- ①ある意味正しい誤植。
- ②残念な隠し機体「V2ガンダム」
- ➂魔改造される Ez8
①ある意味正しい誤植。
↑「敵の撃破より」という部分がよく見たら「顔の撃破より」になっている。
機体のアイコンはMSの「顔」で表示されるのだから、あながち間違いではない。
「敵の顔の撃破より」の方がさらに良いだろう!!
②残念な隠し機体「V2ガンダム」
↑隠し機体のV2ガンダムである。
コメントにもあるように「驚くほど普通」としか言いようがない。
武器の欄が1つ開いているのだから「光の翼」なり、V2アサルト(バスター)に換装できるなりの工夫は欲しかったイマイチな機体である。
他の作品でV2ガンダムが出てくると、これがいかにイマイチか一層身にしみてわかる。
➂魔改造される Ez8
Ez8はもともと陸専用の機体なのだが、今作では「ガンダムW」のマッドな博士の計らいにより、宇宙でも活躍できる装備が開発されたのである。
(しかも2パターンも!!)こういったゲームオリジナルな要素は良いものである。
まとめ
今回はジージェネレーション アドバンスのネタ的な要素ばかりを見てきたがどうだろうか?
登場作品や機体にばらつきがあったり、残念なところもあるが、全体的には良くできた作品で、オリジナル要素も悪くないものばかりである。
GBAの音源ではあるが、ゲーム中の音楽も、原曲とは雰囲気が異なるものもあるが(特にZZのサイレントボイス)聴いてみるのもおすすめである。
もうすでに、古いゲーム入りしてしまったが、中古でもあるだろうし、もっとボリュームを増やしてリメイクしてくれればと願う次第である。