サンダーボルト1期 アニメを見た感想
これまで著者は「ガンダムサンダーボルト」の記事を書いていながら、都合が重なりアニメを観ることができていなかった。
しかし、今回見る機会があったため閲覧し、その感想を綴ることにした。
(ちなみにこのブログは今回で200記事目を突破したよ。)
- イオ・フレミングについて
- ダリル・ローレンツについて
- その他気になった点
イオ・フレミングについて
1話目から約3回に渡り、鼻炎のため、コーネリアス・カカにティシュをせがむイオ。
宇宙世紀でもティッシュ使うのと、鼻炎治療が進んでいないのが、同じ鼻炎もちとしては残念な心境になった。
イオはムーアの市長の息子だから、治療できるなら(鼻炎程度)権力で何とかできそうだし……
あと、ダリルの旧ザクの放った光線弾の光を浴びても、鼻が刺激されむずむずしている様子がないのは意外。
「戦闘中にむずむずしてくしゃみしてるときにやられる!」とか間抜けなことがなくて何よりだが、現実ではそうはいかない。
そんなマヌケな事ばかりなのは著者だけだろうか……。
イオはアニメを見る前は何となくとっつきくそうな印象(もっとニヒルで残酷な感じ)を受けたが、
整備士のコーネリアスとは本当に気が合い、すごく親しげな様子だったのが意外だった。
そしてコーネリアスは、イオが戦いの中でしか生きられない人物(戦闘狂)であるということを、よく分かっている理解者だと言えよう。
また、アップテンポのいかれた感じを表すのに「ジャズ」というのはイオ・フレミングという男を表すのにはぴったりだと思った。
ダリル・ローレンツについて
中の人の演技もよく、優しい感じの青年らしさが出ていた。
(ひ弱でナヨナヨしているということではない。)
イオがジャズを掛けつつ(狂ったように)敵に肉薄するのに対し、ダリルが、ラブポップスを掛けながら敵を1機1機狙撃し、撃ち落とす様は、イオ以上に怖いものを感じた。
(狂気を超えた当たり前になっているとでもいうべきか。言い換えれば、息を吸うように敵を撃破しているという事に近いと思う。)
BGM+映像の威力はすごいと思った人物である。
あと「理不尽な現実こそ僕らを苦しめる本当の敵」という言葉は、まさに著者の毎日であり、その通り過ぎた。
しかし、そんな苦しい中でもなぜか彼は希望を失うことなく、何処かで持っており、その辺りが彼の魅力&不思議さのように感じた。
その他気になった点
劇中の音楽、イオとダリルの「過去」の捉え方
この作品では、決して文面だけでは伝わらない「音楽」が非常に重要な要素に思えた。
イオの趣味「ジャズ系」とダリルの趣味「ラブポップス系」の2通りに絞ってる感じが、なかなかに戦場のシュールさを醸し出し、敢えて場面に合わせた曲を使うのではなく、やっていること(殺し合い)と音楽とのアンバランスさが、この作品の独特性を生み出してるのだ。
また、ある音楽が、イオは「ムーア市長の親父の自殺」、ダリルは「海ではしゃいでいたころの楽しい日々からの「入隊後両足切断」の思い出をそれぞれ作り出しているのが印象的だった。
それに対し、イオは「過去を忘れるため戦いに身を投じる」一方のダリルは「希望の日々を取り戻す(忘れるのではなく)ために戦う」という対極にあるように感じた。
そして、いずれにせよ「戦争は正気ではできない」ことは事実であり、精神を維持するためにも、音楽が彼らは無ければだめなのかもしれない、と思えるほど、「サンダーボルト」では「音楽」は戦場の必需品となっていたのだろう。
機体やその他の人物について
フルアーマー・ガンダムのビーム砲は威力強すぎ。
ガンダムUCのユニコーンがンダムの「ビームマグナム」くらいの威力がありそうなくらい化け物じみた性能に見えた。
フル「アーマー」・ガンダムというより、いろんな意味でフル「パワー」・ガンダムという名前の方がしっくりきそうだ。
・それにしてもジオンの艦長バロウズ、いくら雰囲気が出てるとは言え、「フック」の手はやはり使い道がない気がした。
かっこいいのは認めるが、素直に義手にすればいいのにと率直に思う。
・普通のジムより、(シールドがあるため)耐久力が高そうな、サンダーボルト版のジムも、やはりあっけなく落とされ、やられ役には変わらないんだなと再認識した。
イオ搭乗したジムもあっけなく落とされ、その後リビングデット師団からリックドムを奪い帰還するシーンがあったが、(08小隊の)シローアマダの先行型ボールで、高機動型ザクに挑むより無茶ではないように見えた。
(それだけ白兵戦でもイオが優れているという事なのかもしれないが。)
・エピソード3では思ったより、ガンキャノンが多くてびっくりだった。
(ボールも多いけど量産型だしよくある事なのだろうが。)
また少年兵たちの乗るジムキャノンに同様に物量作戦だったのは何とも悲しい。
「ばあちゃんのリンゴタルト…・・・。」
・こんな狂気に満ちた戦場で、セクストンが研究データを持って退艦を必死にしようとしていたが、見るまではせこいと思っていた。
しかし、その言い分も作品を見た後では、分からなくない気がするのであった。
・また終盤のシーン、敵艦に潜入したコーネリアス達だったが、彼の「戦いはもう止めよう」という、涙ながらの説得もまったく効を奏さず、戦争という魔物に食い込まれていく様は、見ていてやりきれない気分だった。
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まとめ
当然と言えば当然だが、見ていて興味は持てたし、内容にはハマれたが、観終わった後、決して「楽しい気持ち」にはなれない作品という印象が強い。
フルアーマー・ガンダムvsサイコザクの対決はどちらも一進一退の攻防が臨場感があったし、白熱するシーンもあったが、ムーア同胞団もリビングデット師団も事情があり、やってやられてのドロドロの争いが、感情抜きで機械的に行われている所に戦争の狂気を感じた。
感動できるシーンも心安らぐ事もなく、機械的に戦争の波に飲み込まれていくとき、音楽なしでは正気を保てないのがよくわかった気がした。
また、2017年には2期アニメ化が決定しているため、見た人は復習を兼ねて、これからの人はぜひ1期を観てみて欲しい!!