左利きのMS3選
ふとガンダムを見ていて思ったのだが、どの機体も基本的には、右手に武装、左手にシールドのスタイルが確立している。
(このスタイルでない機体も多くあるが、ここでは考慮に入れないものとする。)
もちろん機械である以上、機械に利き手はないだろうし、有るとすれば乗り手の使い勝手だけである。
実際の軍隊で銃を使用する際は、右手で使用するように強制されているとも言うし、人間の利き手意識がそのままダイレクトに機体に反映されているとも限らない。
それでも、両方で武装を持つときや防御をするとき以外に(内蔵されている武器使用も含む)は左腕を使用することは少ないのだ。
そこで、今回は主に「左利き」だと思われるMSを3つ上げてみることにした。
- ザクⅡとその派生機
- グラハム・エーカーの搭乗機
- シン少尉のジム
①ザクⅡとその派生機
これはおかしいと思う人も多いだろう。
ザクⅡと言えば、右手(腕)にマシンガン等の武器・シールドを装備し、左側はスパイクのついた肩があるだけだからだ。
しかし、このスタイルはよくよく考えるとおかしいのだ。
なぜなら、基本的な機体の戦闘スタイルは「片腕(右)に武器、もう片方(左)にシールド」なのだから、このスタイルに忠実に考えれば、ザクⅡの右側(肩)にシールドならば、左側(手、腕)には武器でなければ合理性が取れないのである。
この不合性を作り出した原因には(一説では、)作画ミスでザクⅡの右側にシールドが付いてしまい、それが以後定着したことがあるのだ。
このため、厳密に言えば、ザクⅡはやはり通例通り「右利き」であり、作画ミスのせいで合理性が取れなくなった(本来は左利きと考えるべきになった)と考えるのが妥当だろう。
作画ミスが原因とはいえ、スタイルが定着した今、ザクⅡの右側のシールドを取り払うのはどうかとも思うし、このままあれこれ言わずそっとしておくか、「実はザクⅡ、左腕が主流です」みたいな感じで(合理性を取るために)徐々に設定を変えていくのがいいのかも知れない。
このグダグダ感もガンダムの良さではあるが。
②グラハム・エーカーの搭乗機
機動戦士ガンダム00に登場したグラハム・エーカーと言えば「ガンダムに魅入られた乙女座」な男であり、別名ミスター・ブシドー。
実力と熱さと鬱陶しさを持った、嫌いになれないガンダムバカのエースパイロットだが、彼は左利きである。
このことが反映され、彼の専用機は基本的に左手に武器、右手にシールドという左利きカスタムが施されているのだ。
以下が彼の搭乗機。
- ユニオンフラッグ
- グラハム専用ユニオンフラッグカスタム
- ユニオンフラッグカスタムII
- アヘッド近接戦闘型
- マスラオ
- スサノオ
- ブレイヴ指揮官用試験機
ちなみに彼は左利きのカスタム機に登場したとはいえ、彼も右利きの絶対多数がいる中で訓練を受け、ユニオンでもトップクラスの実力を持つに至った以上、右利き向けの機体も乗りこなすことができた可能性は高く、敢えて左利きの機体にしたものと思われる。
(例えば、量産型のユニオンリアルドにも一時期乗っていたこともあったため。)
また左利きの機体にした理由として明確なことは不明だが、グラハムの性格などを踏まえると「目立つために敢えて行った」という可能性が高いだろう。
目立てばガンダムとも遭遇しやすいだろうし、そのような状態で「ガンダム」を乗り越えれば、彼にとってはこの上ない喜びに違いない。
(言い換えるなら、ルパン3世逮捕逮捕に命を燃やす銭型のとっっあんみたいなものか。)
もっともグラハムの中の人は、『ガンダムサンダーボルト』にて、ガンダムに乗る人物を演じることになったのだから、
彼は、中の人を通じてガンダムと一緒になることが出来たのだった。
③シン少尉のジム
搭乗者自身の問題であり、カスタムしたわけではなく、自身で武装を持ち替えただけの可能性が高いが、『ファーストガンダム』にてソロモン攻略戦に参戦した、シン少尉搭乗のジムが存在する(がビグザムにやられた。)
こちらもザクⅡ同様、作画ミスなのか、演出上の配慮でこうなったかもしれないが、ジムはれっきとして、右武器・左シールドの機体(が絶対的多数)であり、本来の使い方を強いられるものから、敢えて、左に持ち替えて戦闘を行う人物(機体)もいたという何よりの証拠ではないだろうか?
(グラハム・エーカーの場合は初めからカスタムを施していたため、シン少尉とは異なると言えよう。)
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まとめ
右手にシールド、左手に武器のスタイルの機体は予想以上に少なく、上記の3つくらいしか著者には探せなかった。
1つの武器を両手に持つ、両手に武器を持つ、左側に内蔵してある武装使用、両素手で戦う(主にMF?)、戦闘上の流れで左手を使用せざる負えないの等のスタイルを含めれば、その数は非常に多いのだが、反転スタイルの機体はガンダム世界では主流ではないようだ。
(左利きと思われる人物もいないことはない。)
この結果を言い換えれば、現時点(2016年)では、右手にシールド、左手に武器のスタイルの機体は(実質的に)「グラハム・エーカー専用機」のことを指すと言っても過言ではないのである。
とは言え今後このスタイルを継ぐ、第2のグラハム・エーカーは現れるかもしれない。(他のロボット作品には少なくないので)