【機動戦士ガンダム U.C0096 ラスト・サン】の概要
今回は、『機動戦士ガンダム U.C0096 ラスト・サン』について調べてみた。
この作品はマンガ家「葛木 ヒヨン」氏の原作がもととなった作品で、時系列的には、丁度『ガンダムUC」と同時期である。
2014年から「ガンダムエース」で掲載されている。
また、『機動戦士ガンダム U.C0096 ラスト・サン』以前にも葛木氏は、『機動戦士ガンダムU.C.0094 アクロス・ザ・スカイ』という作品を同じく『ガンダムエース』で掲載しており、今回取り上げる作品は、その後出来事ということになる。
(今後、『機動戦士ガンダムU.C.0094 アクロス・ザ・スカイ』についても調べるつもりである。)
ラストサンのストーリー
宇宙世紀0096年1月1日、舞台は『袖付き』と呼ばれるネオ・ジオン残党軍の拠点「パラオ」からは程遠い「サイド7」宙域。
ここでは一年戦争の英雄「アムロ・レイ」を称える記念式典が行われ、アムロの母艦「ホワイトベース」を模した特殊輸送艦「アンヴァル」には、地球から招待された「バニロードジュニアスクール」の子供達が、初めての宇宙旅行を楽しんでいた。
ジュニアスクールの子供達の中でも、一際目立つ少年「サン・プレース」は、友人の「ルーニ」、「ブルム」達と自由奔放に「アンヴァル」艦内を探索するが、彼らは式典の用意されていた、アムロ・レイが搭乗したRX78-2「ガンダム」とおぼしきMSを見つけるのであった。
一方、「アンヴァル」のいるポイント付近の漂う廃コロニー。
ここにはジオン公国軍の敗残兵達がムサイ級軽巡洋艦「メイルメル」で密かに暮らしていた。
そしてその艦で生まれ育った少年「ガンズ・ラン」は、ネオ・ジオン残党軍『袖付き』の蜂起に感化されていた。
そこで彼は艦内の老兵達に協力を仰ぎ、赤い彗星の再来「フル・フロンタル」が率いるネオ・ジオンへの手土産として「アンヴァル」の拿捕を計画するのであった。
そしてガンズの師匠である「エミコ・ジェラード」の号令を嚆矢として、「メイルメル」による作戦行動が開始される。
旧型機の護衛艦「オアシス」の掌握などガンズたちは作戦は順調に進む中、ガンズは「アンヴァル」艦外で宇宙遊泳体験中のサンと遭遇するのであった。
ためらいもなく、真っ直ぐ接してくるサンにガンズは戸惑う。
その時「アンヴァル」のカタパルトから、2機のMS, RX78-2「ガンダム」を思わせる 「ガンダムGファースト」、そして「ガンキャノン」酷似する「キャノンガン」が出撃するのであった。
補足:サイド7とは?
サイド7とは、「ファーストガンダム」で、アムロが住んでいたコロニー郡(エリア)で、ここに運ばれていたガンダムに乗り、襲撃してきたジオンのMS「ザク」との史上初のMS同士の戦いが行われた宙域である。
『ファーストガンダム』で言うなら、ホワイトベースに乗り込んでいた子ども達(左から)「カツ」「レツ」「キッカ」の3人が、物語の主人公で、ガンダムを見つけて物語が展開していくという感じだろうか?
「カツ」は「Zガンダム」で(汚い花火)お星様になってしまったが、
「レツ」と「キッカ」はZ以降その消息が分からなくなるが、一体どうしているのだろうか……?
登場するMSや機体
- ガンダムGファースト
- キャノンガン
- GFタンク
- アンヴァル
- ズオム
①ガンダムGファースト
型式番号: RIX-001、頭頂高: 21.8m、本体重量: 29.8t
地球連邦地上軍の発注により、アナハイム・エレクトロニクス社(AE)が開発した汎用MS。
「量産型νガンダム」のデータを元に作られた技術テスト用の機体をそのまま転用。
外装カラーは式典用に、デモンストレーション色の強いものである。
量産型νガンダムがベースとなっているというが、正直そうは見えない。
色のせいというのもあるのだろうが、特に「シールド」はZZガンダムのものではないだろうか?
ハイメガキャノンこそついていないが、シールドを2枚持つ姿、配色もどことなく似ている気がするのは私だけだろうか……?
RX78-2「ガンダム」も、試作機(フラッグシップ機)として、あのようなド派手な色になったというが、「式典のために」あえて目立つようにしたという設定は、なかなか無理がなく良いアイデアだと思う。
(という後付けに過ぎず、ホントは玩具化するときに地味な色だと売れないという大人の策略だ)
②キャノンガン
型式番号: RIX-003、頭頂高: 20.2m、本体重量: 34.3t
ジェガン性能向上タイプのA2型をベースとして、AEが開発した中距離支援用MS。
Gファーストと同じくテスト機の1体である。
こちらも式典向けにガンキャノンを思わせる機体色へと変更された。
両腕はビーム・ライフルの機能が内蔵された大型マニピュレーターである。
良くできてるなーと思う。
配色の効果もあるのだろうが、「ガンキャノン」と「ジェガン」その2つの特色がよく表されていると思う。
あとガンキャノンの丸い肩(?)だったらさらにいい感じなのに……。
ゲームでもガンキャノンのバリエーションはいろいろある。
ガンキャノン量産型やジムキャノンⅡなどがあるが、「ジェガン」+「ガンキャノン」の特色が本機は最もよく出ている気がする。
しかし、「ガンキャノン」の名前を入れ替えただけの安直なネーミング。
小学生か!!なぜか時々「結構いい加減な名前だなー」と思う機体や人物がガンダムシリーズは多い気がする。
戦闘機の「トリアエーズ」とか、「ボール」や、ジオン兵の「アカハナ」とか……。
またそこが良かったりはするのだが。
(適当な名前の奴ってやられ役が多いのも宿命か)
③GFタンク
型式番号: RIX-00PT、頭頂高: 11.8m、本体重量: 19.8t
サナリィ開発の小型MSロトをベースに、AE社の手で大幅な改装された試験機。
Gファースト、キャノンガンの技術検証計画の“要”となっている機体である。
一瞬、頭がとれたのかな?と思ってしまった機体。
MSって頭部が重要なんだなーと、改めてこいつを見て思った。
『ZZガンダム』で乗っていたZガンダムの頭部が破損し、応急修理としてその辺にあったハイザックの頭をつけて、出撃Zザクが登場したシーンがあったがこれはZガンダムとは言えないのではなかろうか?
性能は頭部以外同じなのに、例えるなら、アンパンマンの顔がない状態で、終始物語が続くようなものである。
全国の子どもは阿鼻叫喚間違いなしの絵づらだ……。
サナリィのロトをベースにしたというが、どうして頭部をつけなかったのか?
いい味出してるのにこれでは改悪だと思う。↓
タンクぽさとMSらしさの両方を兼ね揃えている良い例。
劇中での活躍もかっこよかった。
④アンヴァル
地球連邦地上軍の発注により建造されたミノフスキー・クラフト搭載艦。
ペガサス級戦艦に見えるが、非武装の輸送艦である。只の案山子ですな。
航続性能は、旧式艦船の規格品を改良流用おり新型艦と同等である。
式典用艦船として「バニロードジュニアスクール」の子どもたちも搭乗している。
ちなみに「アンヴァル」とは、アイルランド神話の馬の名前である。
海陸をものともせず、走り抜けられるそうで、「ペガサス」も架空の馬の名前からきているため「馬」つながりがある。
それにしても、いくら輸送船だからと言っても、機銃の一つもないのはどうなんだろうか?
形としては、「ホワイトベース」というよりは、「ホワイトベース色の」ペガサス級戦艦「グレイファントム」に近いだろう。
⑤ズオム
型式番号: ATMS-09R、頭頂高: 18.6m、本体重量: 33.3t(1番機)39.4t(2番機)
ムサイ級軽巡洋艦メイルメルの住民、エージス・ソートンの手により生み出された専守防衛用のハンドメイドMS。
リック・ドムを基本しているが、内装は、MSのジャンク品を加工流用しているため、2機のスペックや操縦特性は、それぞれ大幅に異なっている。
ジオン残党のMSと言えばジャンクとかの現地改修が多そうなイメージだが、裏を返せば、ハマーンのアクシズや、シャアのネオジオンがいかに統制がとれ、規模も大きかったかが分かる気がする。
登場キャラクター
- サン・プレース
- ルーニ・ヘリオ
- ブルム・ライラック
- ジョリオン・デイ
- ゾーイ・ヤンソン
- ガンズ・ラン
- エミコ・ジェラート
①サン・プレース
地球で暮らす民間人の10歳の少年。
好奇心が強く、行動力も高い。
一旦スイッチが入ると他のことに目を向けなくなる一面がある。
性格は、太陽に明るい、本作の主人公。
歴代ガンダム系の主人公は案外行動力があるし、スイッチが入ると他のことに目を向けなくなるという性質を持った人物は多いかも。
②ルーニ・ヘリオ
サンの同級生の1人。世渡り上手なムードメーカー。
怖がりかつ皮肉めいたことを言うが、的外れな内容が多い。
バレバレの嘘泣きを得意とする。
大人になった彼はどうなるんだろうか?
同じく皮肉屋だけど、慎重で世渡り上手なカイとはなんだか気が合いそうだ。
宇宙だと、アフロヘア―はどうなるんだろうか?膨張するのか?縮むのだろうか?気になるところである。
③ブルム・ライラック
サンの同級生で、面倒見の良い優等生タイプの女の子。
子供ながらかなり発達したスタイルの持ち主だが、それに関しては、疎ましく感じている。
この作品は1話が無料で試し読みできるので読んでみたのだが、彼女も登場する。
10歳のスタイルではない。どう考えてもおかしい。
担任の引率の女教師(22歳)よりもスタイルが良く、教師の方が羨ましそうに彼女を見ていた。
「ガンダムシリーズ、未成年スタイルの良いキャラコンテスト」があれば、間違いなく上位に食い込むだろう。
人気的にはプル&プルツーに勝てないのでは?マリーダさん最高です!
④ジョリオン・デイ
連邦地上軍のMSパイロットで、Gファーストに搭乗する28歳の中尉。
度胸・操縦技能があるが、宇宙での操縦にはは強い苦手意識を持つ。
物怖じせず上官へ意見を言い放つ性格を、アンヴァル艦長のダン・コルトン大佐はとても気に入っている。
また、ダン艦長からの通告でアムロ・レイのような髪型を強要されているとのことだが、本人は長い方が好みだそう。
怖い時のアムロ(CCA)の顔である。
艦長命令で「アムロ・レイの髪型にしろ!!」とか、どういう命令だよ。
式典に合わせたいなら別にカツラとかの代替方法ではだめだったのだろうか?
物おじしない性格の彼でも、従わざる負えないほど強力な命令だったのだろう。
まさかアムロ本人も艦長命令で「自分同じ髪型」を強要されている人物がいるとは夢にも思うまい。
※ディではなく、サンが今回の主人公であることに注意
⑤ゾーイ・ヤンソン
連邦地上軍のMSパイロットで、キャノンガンに搭乗する25歳の中尉。
彼女の戦い方は、かなり慎重な戦い方だが、時に暴走してしまうこともあり、アンヴァル副長のランディ・ホーキンス少佐はひやひやさせられるという。
MS搭乗時は防眩用のメガネを装着。
笑顔の可愛らしい、おっとりタイプ?にも見える彼女だが、どこかに「スイッチ」があるのだろう。
案外、眼鏡がその起動装置なのではないだろうか?
⑥ガンズ・ラン
サイド7周辺宙域に潜伏しているジオン公国軍敗残兵が集うムサイ級巡洋艦、「メイルメル」で生まれ育った15歳の少年。
「旧式の機体を2世代は飛び越えた戦闘性能にまで引き上げる」と噂されるほど卓越した操縦技量がある。
(本人は認めていない)
フル・フロンタル率いるネオ・ジオン蜂起の噂を聞き、メイルメルの老兵達に発破をかけて合流を目論む。
2世代は飛び越えるってことは、「ガンダム」に乗りながら、その働きぶりは、「Zガンダム」を飛び越え、「ZZガンダム」ないし、「νガンダム」くらいまでぶっ飛んだ技術ということになるはず。
もし本当ならば、ニュータイプもびっくりである。
同機体に乗ったら相手の負けは確実ではないか!?チートキャラクターである。
(もう、フル・フロンタル頼らなくてもいいんじゃないかなーと思ってしまった。)
白黒だと、名前もさることながら「ガロード・ラン」に見えてならない。↓
もしかしたら生き別れの兄弟!!だったりするのかも……そんなわけないか。
⑦エミコ・ジェラート
59歳とは思えぬ美貌を保つメイルメルのMSパイロット。
一年戦争のア・バオア・クー戦で機体の音声トラブルにより、
地獄の底から聞えるような恐ろしい声の女装の武人『青銅の怨声(えんせい)』という不名誉な異名で一部の連邦兵に語り継がれてきた。
優しい感じのシーマ様(0083に登場)にしか見えない。
59歳はやはりおかしい。
美熟女とはいえ、この世界の作品の女性はどうかしてるぜ。
またガンズの戦闘の師匠でもあるが、ガンズは15歳とのことなので、年齢的に考えれば、ガンズは母親として、ジェラートは息子として互いに思っていたのだろうか?
彼女が作戦の嚆矢を放ったわけだが、シーマ艦隊ぐらい兵の士気が高くなりそうである。
こちらが我らのシーマ様。
彼女はある悲惨な経験をしており、それもあって腹黒さも目立ったが、上からは汚れ仕事を押し付けられ、立場もいつ捨てられるかわからない。
彼女の本心は「安心できる場所」を求めていただけなのかもしれない。
1人の女性として、子どもを産み育て、家庭を築く……そんな選択肢もあったかも……。
立場・時代も異なるが、ジェラートとは比較してみるのも面白いと思った。
ちなみに、シーマ様の声優さんは「クレヨンしんちゃん」の「風間君」の声も担当されている。
声が全く違うのだが、それを演じ分ける声優はすごいと思う。
まとめ
個人的には、この作品は好きになれそうである。
ファーストガンダムで活躍した「ガンダム」「ガンキャノン」「ガンタンク」「ホワイトベース」等を髣髴とさせるMS達や設定が登場し、「オマージュ」されているのだが、それをうまく作り上げていると思う。
「ファーストガンダム」に興味のある人は一度見てもよいかもしれない!!
ちなみに1話だけオンラインで原作の漫画を見ることもできるので、
ガンダムデュエルカンパニー[GUNDAM: DUEL COMPANY]から見てみるといいだろう。
私も1度読んでみたが、懐かしいMSや謎の仮面の女などが出てきて、続きが気になった!!