閃光のハサウェイでのアムロの登場シーン
↑再生時間50秒ほどが該当のシーン
閃光のハサウェイ（劇場版）でのアムロの登場シーンは、クスィーガンダムに乗るハサウェイ・ノア（マフティー）の初出撃の場面である。
マフティーの新型MSであるクスィーガンダムを急遽空中で受領することとなったハサウェイは、仲間のエメラルダの操縦するMSメッサーに同乗し、タイミングを見計らってガンダムの搭載されおり、水上に落下しつつあるカーゴ・ピサに飛び移ろうとしていた。
その付近には、連邦のケネス大佐指揮するキルケー部隊、水上付近には、レーンエイムの乗るペーネロペーの部隊が接近しつつあり、カーゴ・ピサが着水するのを待っていると、クスィーガンダムも奪われてしまうリスクがあったのだ。
揺れるメッサーから身を乗り出し、落下を続けるカーゴに取り付くことに成功したハサウェイ、そしてクスィーガンダムのハッチにたどり着き機体を起動するの同時にペーネロペーの攻撃を受け激しい振動に襲われる。
アムロと思しき姿の人物が振り返りながら、ハサウェイに言葉を投げかける。
その様な状況の中で、意識が混濁するハサウェイに『身構えている時には死神は来ないものだ、ハサウェイ』というアムロの声が聞こえたのだった。
この時のアムロの姿は、逆襲のシャアでアクシズ落下阻止のために出撃したときと同じ白いノーマルスーツを着た様子であった。
アムロの声を聴いた後ハサウェイは、「言われなくても！」と気力を振り絞り、クスィーガンダムでの出撃準備を整え「なんとでもなるはずだ」と言って出撃、ペーネロペーと交戦を開始するのだった。
逆襲のシャアで消息不明となったアムロだったが、その後のガンダムUCでもアムロの姿が確認され、その生死が疑問視されていた。
ガンダムUCよりもさらに後の時代の話である閃光のハサウェイではアムロは生存していたのだろうか？
- アムロの姿や声はハサウェイの幻もしくは残留思念だった可能性が高い。
- アムロの登場は映画上のファンサービス
①アムロの姿や声はハサウェイの幻もしくは残留思念だった可能性が高い。
アムロとクェス、二人の存在にハサウェイは未だに囚われている。
クスィーガンダム搭乗時のシーンで登場したアムロは、ハサウェイの見た幻である可能性が非常に高い。
この声を聴いたときは機体が高度から落下中であり、ハサウェイ自身も意識を正常に保つことが難しい状況にあった。
その様な生命に危機が迫る状態では、走馬灯を見る可能性も高く、ハサウェイの中では、逆襲のシャアでのアムロの姿と言うのは強烈に印象に残っていたのだろう。
現にハサウェイは自分が殺めてしまったクエスの事を思い出しては、その幻聴に悩まされている描写も見られることや、彼がニュータイプであることからも、人の想いや思念に共感してしまった結果、ハサウェイの不安定な精神から来る幻もしくは残留思念と考えられるのだ。
ちなみにこのタイミングでハサウェイがアムロの声を聴いたのは、逆襲のシャアでアムロが大気圏付近で行方不明になったことがその要因だと思われる。
②アムロの登場は映画上のファンサービス
閃光のハサウェイの原作小説（左）と映画版（右）
閃光のハサウェイの原作小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』で、このアムロの声に当たるシーンはナレーション（地の文）のセリフで『身構えている時には、死神は来ない。それも戦場の摂理なのだ。』としか書かれていない。
この為、閃光のハサウェイ（映画版）のアムロの登場は、メタ的に言えば『ガンダムファンへの演出上のサプライズ』であり、アムロが生存していると断言はできない。
さらに言えば、アムロのこのセリフは、逆襲のシャアでハサウェイに言った「そんなことではハサウェイも死人に引っ張られるぞ」という発言に対する応えとなっている点も粋な演出となっている。
アムロがハサウェイに語りかけた言葉の意味#閃光のハサウェイ pic.twitter.com/MTnkA2EBFY
— しでぼー (@fukuhara15) February 5, 2023
↑実はこの投稿にあるようなチェーン、クエスそしてアムロがいる「やってしまった」後の世界での地獄絵図にハサウェイを巻き込みたくないという、アムロの優しさが真相なのかもしれない。
まとめ
結論としては、閃光のハサウェイでのアムロの登場シーンは、ハサウェイの幻である可能性が非常に高く、アムロが生存しているかどうかは不明である。
しかし、原作小説の一文を、映像化する際にアムロを出演させるという演出は素晴らしく、アムロ役の古谷徹さんの演技、ガンダムUCでも音楽を担当した澤野弘之さんのBGMをはじめとした制作陣の実力が垣間見えた瞬間でもある。
