実物大ガンダム撤去される。
2017年3月に実物大ガンダムが撤去されるという悲報が知らされた。
画像出典:Pixabayより
東京 お台場のダイバーシティ東京プラザ 2Fに設置されているガンダムは、
イベント「ガンダムフロント東京」が終了する2017年、4/5よりも1ヶ月前に姿を消す。
ガンダムが立ち去るまで、現時点では詳細不明だが、「ガンダム立像・ガンダムフロント東京~LAST SHOOTINGキャンペーン~」というイベントを行うそうである。
著者はまだ画像でしかお目にかかったことがないから、一度くらい観に行きたいとホントに思ったし、(まだチャンスはあるが。)
画像出典:フォト蔵より
昼ナン〇スはいつでも見られるファッションなんぞ放っておいて、「実物大ガンダム」特集を行うべきだったのではないだろうか?
著者のように実際に行けない人に対して特集を組み、魅力を紹介してくれれば本当によかったのにと思うばかりである。
確かに女性にとってファッションは大事なのは認める。
だが、女性は美しくなる機会がいくらでもあるが、ガンダムは今しかないのだ!!
とは言え決まってしまった事は仕方ないのかもしれない……。
「悲しいけど、これビジネスなのよね。」
実物大ガンダムは将来に向けて残すべき?
著者だけでなく、この悲報に衝撃を受けたガンダムファンは全国に大勢いるに違いない。
そんな彼らの中に
「2020年のオリンピックまでガンダムを残すべきだ!!」
「外国人もガンダムに興味あるはずだ!!」」
と言った実物大ガンダムを残すべきだ!!という意見がある。
個人的には大賛成であり、「鉄人28号」のように、いずれは地域に根付く存在になってほしいと思う。
しかし、日本では「ガンダム」は人気だが(そう信じる)、海外での評判は今一つではないかと個人的には不安であり、
(外国人に対しての)オリンピックの客寄せパンダとして考えるときには「効果はうすい」のではないかと思う。
ガンダムの海外での人気について
中国や台湾などアジア圏においては、一部で知名度がある(オタクに対し)程度というのが実情なようだ。
海賊版のDVDやガンプラが出回ったりしているそうだが、肝心の(?)アメリカやヨーロッパ等の西洋ではアジア圏よりも人気は薄いようだ。
直接は関係ないかもしれないが、ガンダムの黒歴史となった日本・カナダの合作「G-SAVIOUR」や、
ケツアゴシャアが出てくるアメリカとの合作クソゲー『「GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH」』を見ればわかる通り、
海外でのガンダムへの理解がいい加減かは言うまでもないだろう。
もっとも、ガンダムWやGガンダムなどはある程度の評価を受けたとされるが、ファーストガンダムにおいては「人気」とは到底言えないような有様だったという。
(ファースト)ガンダムが海外受けしなかった2つの理由
画像出典:Flickrより
日本では当然、ファーストガンダムは公開から30年経った今でも根強い人気があり、
知らない人でも「アムロ」「シャア」「ガンダム」ぐらいの単語は知っており、
この作品で使われた名言を無意識に使う人も少なくないはずである。
それでも、特に海外では人気とは言えない状況であった。
『ファーストガンダム』という作品自体について
『機動戦士ガンダム』という作品は、単にロボットが乗って暴れて大活躍にとどまらず、
緻密な人間描写、組織などなど挙げればきりがないほど、緻密に計算されて作られたストーリー性をもつ。
それ故に、アニメは子ども向けと当時は認識されていたことや、
視聴率低下による打ち切りとい状況に合っても、(大人等に評価され)再び人気を博するに至った。
しかし、海外ではその緻密さは、「暗い、ネクラ、良く分からない」の一言で片づけられてしまい、人気には繋がらなかったのである。
海外でのロボットに対する価値観
「ロボットは所詮道具であり、人間至上主義」という考えが海外では根付いていることにある。
画像出典Pixabayより
世界的に人気を博した「スターウォーズ」に登場するロボットも、言ってしまえば人に使役するものであり、決して人と同等の存在ではない。
(友情らしいものが芽生える部分もあったにしろ、せいぜい犬や猫などを「ペット」として扱うのと同じような感覚だろうか?)
それなのにガンダムに登場するMSは、戦争の道具としては(ミノフスキー粒子という設定があったにしろそれは無視して)人型は非効率&やたら派手であるのに、
乗っている人間以上に(所詮道具に過ぎない)MSの方がもてはやされるのは理解ができないのではないだろうか?
彼らとしては、活躍するのはあくまで(ヒーロー的)人間であり、ロボットはどこまで行こうと「使うための道具」にしか過ぎないのだ。
それでいて、擬人化された存在のガンダムを「リアルロボットの兵器」とすることは、彼らからすれば「ありえない」ことなのである。
画像出典:Wikimedia Commonsより
元々ガンダムなどのMSは、人が装着するパワードスーツの延長線上にあるらしいが、
それならもっと人に近い大きさで良いし、ロボットするならド派手なものより、実用的であることが好ましいと、
あくまで合理性を追求している考え方を持つ故に、
「ガンダム」という作品、MSは海外では受け入れられていない(拒絶されている)のである。
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まとめ
これらことから、私はお台場ガンダムを存続させることには賛成だが、「外国人への客寄せパンダ」として用いる(理由だけで存続させる)のは反対である。
老朽化や契約などで撤去せざる負えないのかもしれないが、それはそれで仕方ないと思うし、
(変な言い方ではあるが)日本人だけがガンダムの魅力を知っていればよいのではないだろうか?
それでもあえて、ガンダムコンテンツをオリンピック等での外国人誘致に使うというなら、
画像出典フォト蔵より
せめて彼らにも理解しやすい作品(WやGガンなど)や初代ガンダム以外のものに取り換えるように配慮迎合するべきだと思う。
ガンダムはある種、歴史と似ている部分がある。
一部だけを切り取ってみてみても、すべてを理解したことにはならないのだ。
ガンダムという作品が持つ流れや背景は、日本だからこそ生まれたものであり、日本の歴史を海外の方がそう簡単に興味を持ち、深く知ることが難しいように、
ガンダムを表面的に理解できても、単純ではないガンダムを知り深く楽しむ事が、できるだけの環境や状況にはないのかもしれない。
それこそ宇宙世紀の時代が来て、ニュータイプにでもならないと分からないほど、日本のガンダムと海外のロボット観にあるATフィールドは分厚いのである。