作品の概要
舞台は100年戦争末期の惑星パルミス、「アルボガ王国」。
周囲を砂に囲まれたこの場所は、かつて多くの鉄の棺桶(AT)が撃鉄を交わした成れの果て、
ATから漏れ出したポリマーリンゲルが青白い炎を上げ、人魂を見せる乾いた墓場。
戦場の哲学者、ボジル・ドン・ハリバートンこと、フィローはこの王国でフリーランスのボトムズ乗りとして暮らしていた。
そんなある日、フィローは哨戒任務から帰還し、ふらっと立ち寄ったディックの店「DICKS BAR」で酒をたしなんでいると、
フロアーではこのバーの歌姫クレメンタイン・クリスティーが歌い、ホワイティーと呼ばれる男がいた……。
そして終わるはずのない100年にも及ぶ戦争が急展開を迎えるとき、フィロー、クレメンタイン、ホワイティーの3人の物語は加速する。
前回のあらすじ

フィローとホワイティ―のガラッチ飲み比べ対決は、「休戦」という形に落ち着き、歌姫クレメンタインも加わり、3人毎日カウンターにそろう日々を過ごしていた。
そんな生活が1ヶ月ほど続いたある日、クレメタインからどこかへ「ピクニックへ行こう!!」と提案され、3人はピクニック兼ドライブへ出かけることとなるのであった。
そこに待ち受けるものとは一体……。
ピクニックへGO!!
画像出典:Pixabayより
クレメンタインの要望に合わせて、軍のパトロール用8輪バギーが用意され(後部座席には機甲猟兵の使う対ATライフルとグレネード・ハンディーカスタムがあった。)
いよいよディックの店の前からクレメンタインを乗せて3人は出発した。
「アルボガ王国」の西門からバギーは100年戦争の傷跡残る砂漠へと走り出すのであった。
途中、パルミス北半球のサンベーニュ地方の発泡酒「サンベーン」を飲んだり、
クレメンタインの歌う3曲について話をしたりしてバギーを進めること小1時間、
バララントの勢力圏に近いある丘陵へと到着するのであった。
カースニー
画像出典:Pixabayより
「……ここに来たかったの」と丘陵についたバギーからクレメンタインは呟いた。
ここは「カースニー」。今は戦闘の傷跡残る建造物が点々と残る砂漠であるが、20年前にはアボルガ王国と縁戚にあった小さな公国であり、
バララントに滅ぼされたのであった。
ふと、フィローとホワイティが気が付くとさっきまでいたはずのクレメンタインがいなくなっていた。
彼女を探すためバギーを降りた2人は辺りに広がる遺跡群を歩き、数十本の石柱の残る広場でその姿を見つけた。
おどりに誘われたもの。
画像出典:ウィキペディアより
その広場の中央でクレメンタインはリズムを取り、手足を揺らし、踊り始めていた。
照りつける太陽、雲一つない空と静寂。その中にあって彼女は精霊や神と一体化するようにひたすらに踊りを舞っていた。
クレメンタインの様子に飲まれたフィローとホワイティはどうすることもできず、その場を静かに離れ、バギーに戻りしばらくすると彼女は戻ってきた。
先ほどのことには触れずに3人で彼女がバスケットの中に入れていた食事を楽しむことにすると、フィローは何かに気が付いた。
ホワイティとクレメンタインに姿勢を低くするように告げると、すぐ近くにはバララントの斥候小隊がいたのであった!!
その小隊から2機のATが、マランガ(大河)を渡ろうとしていたが、
フィローたちのバギーにあるATライフルやグレネードだけでは分が悪いため、3人はしばらく様子を見ることにした。
すると、フィロー達を見つけたというわけではなく「定期巡回(見回り)」だったようであり、
その2機のATは河の途中で引き換えし姿が見えなくなっていった頃合いを計り、フィロー達もかつて公国のあったこの地を離れるのであった。
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まとめ
・バギーピクニックの行先はかつて国があった「カースニー」だった。
・カースニーの広場でのクレメンタインの踊りに吸い寄せられたかのようにバララントの斥候部隊の姿がちらついたが、それは100年戦争終戦を予期する不安なものであった……。
・100年戦争と、「アルボガ王国」、フィローたち3人はどうなっていくのだろうか?次回をお楽しみに!!