ロボットと法律問題
画像出典:Pixabayより
昨今、人工知能(AI)をはじめとして、ロボットというものはますます我々に身近なものとなってきている。
ところで日本では、最近高齢者ドライバーによる悲しい交通事故が後を絶たず、その早急な対策が求められている。
そんな中、人工知能を搭載したロボットによる自動運転技術・制御などの安全対策も着々と進んでおり、人間がかつて自身で行っていたことをロボットが代役で行えるようになってきているのだ。
そうなるとこれまでの社会のルールだけでは、対応できないことが出てくるのである。
代表的な社会のルールの一つに「法律」があるが、これは複数の人間が円滑に暮らすために必要なもので、例えば、強盗や殺人などを行えば法律に乗っ取り処罰される。
しかし、これはあくまで何らかの行為を行った「人間」に対して(直接・間接的に)法律を照らし合わせ、処罰できるだけであり、脚をかんできたアリンコや、大事な本を食い荒らしたダニ本人(?)を法律に乗っ取り法廷に召喚し、裁判することはできないのだ。
(アリンコやダニと関係がある人間は裁かれることはあっても。)
これはロボットにも言えることで、ロボットがセクハラ行為をしたり誰も構ってくれないからと、殺人をしても、現在の日本の法律ではロボット自身を法律で裁くことはできず、またそれに関連する法整備も充分とは言えないのが現状である。
(ロボットに関係している責任者はやはり対象になることはあるが。)
ロボットと言えば「ドラえもん」のようにどこか人間らしさのある憎めない友達のような存在から、「RX78-2ガンダム」などロマンを感じさせるカッコいいメカまでありとあらゆるものがある。
今回はそんなロボット作品を「現在の日本の法律の視点」から解釈するかについて書かれた盛田栄一・森田貴英・片岡朋行著『空想法律読本1 新装版』(メディアファクトリー2012)からロボット作品に関するところだけ述べてみたい。
空想法律読本の元ネタ「空想科学読本」について

マジンガーZ
『空想法律読本』とは、科学的視点からアニメや架空の設定などを考察することで、人気を博した柳田理科雄著『空想科学読本』の法律版である。
例えば、マジンガーZは現実世界で歩行すると、動作するだけでパイロットにもろに衝撃が伝わりとても乗れたもんじゃなく、ロケットパンチなんて放てばマジンガーが壊れる。
光子力エネルギーはあまりエネルギーにならないとか、ロボット作品の重量設定ではロボットの重さを支えきれないなど、ロボット作品の夢とロマンをぶち壊しにし(笑)、冷静な視点から我々に「科学の真実」を突き付けてくれる本である。
そしてお察しのとおり、法律においても、その鬼畜さ冷静さは健在であり、ロマンはぶち壊されるのであった……。
(もっともそこが面白いのだが。)
また今回登場する法律は、『空想法律読本1 新装版』出版時の2012年10/29時点における日本の法律に当てはめた解釈であり、現在とは異なる可能性もあること、またロボット作品の世界での法律やルールなどは考慮されていない点に注意。
(そもそも作品内で法律があるのかわからないが……。)
- ジャイアントロボ起動事件!!
①ジャイアントロボ起動事件!!

ジャイアントロボ
ジャイアントロボは、地球侵略を企む宇宙人「ギロチン帝王」とその手先BF(ビッグファイアー)団と「国際秘密警察機構ユニコーン機関」との戦いの物語である。
あるときユニコーン機関日本支部の「南十郎」は、ある調査の為に客船に乗船していたが、船が大破したことで、偶然知り合った少年「草間大作」とある島に漂流する。
しかしそこは、BF団の秘密基地であり、ギロチン帝王が開発してた新兵器「ジャイアントロボ」による地球制服が行われようとしていたのだった。
そして「南十郎」と「草間大作」はBF団に捕まってしまうが、隙を見て逃げ出し、BF団に脅迫され「ジャイアントロボ」を開発していたG(ドクトル・ガンガルチュア、国籍不明)は2人と出会い、「ジャイアントロボ」の特徴(原子力エネルギー搭載で、電子頭脳で動く、「腕時計型の電子マイク」から一番初めにロボの電子頭脳に登録された人間の声の命令を聞く)とロボに爆弾を仕掛けたことを告げるのだった。
一方逃げ出した2人を追っていたBF団員はGと2人がいるところ見かけ、処分するために銃撃戦を行う中、Gが死亡。
残った2人は基地から逃げ出した後、基地のあった山が爆発するが、ジャイアントロボは健在であり、「南十郎」の助言もあり、いつの間にかGから拝借していた「腕時計型の電子マイク」を腕に装備する「草間大作」はそれを用いて、ジャイアントロボに呼びかけを行いロボの起動成功。
そして、ジャイアントロボの掌に2人は乗り込み日本(のユニコーン機関支部)を目指し、ロボを飛行させるのだった……。
法律的にこの行動を振り返ると……。

窃盗
ロボット作品ではよくある?展開だが、法律的に考えるとどうなのだろうか?この本によれば以下の罪状に値すると言えそうだ。
・刑法235条の1「窃盗」
⇒Gの発言から見てもによればジャイアントロボはBF団の持ち物であることは確かであり、大作少年が「腕時計型の電子マイク」でロボに命令をした時点においてまず「窃盗未遂」が成立する。
そして、ロボが2人を乗せて空を飛び立った瞬間、「窃盗既遂」が成立し、大作少年は窃盗犯となる。
⇒犯罪が成立すると少年保護の観点から以後「少年A」と呼称するのが望ましい。

教唆
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・刑法61条「教唆」
⇒少年Aは自身の命令でロボが動くと認識した際、そばにいた南に相談を持ちかけるが、南は即座に「ロボを利用し日本へ帰る」ことを提案した。
このことにより南十郎は少年Aにロボの窃盗を唆した教唆犯と言え、少年A同様「窃盗犯」となってしまうのだ。

航空機
・航空法28条
⇒少年Aは無免許で航空機(ジャイアントロボ)を飛行させたため。
またこの時、ジャイアントロボはマッハ17で東京湾上空を飛行していたので、「航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律1条」にも該当し、3年以上20年までの有期懲役の可能性もある。
なお、ロボが飛行していた際少年Aがロボに同乗していたか否かは関係なく、ロボを飛ばした時点で成立する。
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・日本政府の方針たる「非核三原則」違反⇒「ジャイアントロボ稼働辞めろ―!!」の大抗議発生の可能性。
⇒ジャイアントロボは前述の通り、原子力エネルギーつまりは「核燃料」で稼働している。
近年の日本では東日本大震災の影響もあり、「原子力発電所撤廃」への抗議運動も起こっていることから分かるように、もしバリバリ核燃料搭載のこのロボが日本で稼働していることが広く知られればどうなるだろうか?
言うまでもなく、「こんな危険なロボは廃止だ!!」「今すぐ廃棄しろ!!」とありとあらゆる抗議運動が、ユニコーン機関日本支部に殺到することは間違いない。
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・「核原料物質、核燃料物質及び、原子炉の規制に関する法律」52条1項
⇒上記のジャイアントロボ稼働停止運動だけならまだしも、当然法律的にもアウトであり、文部科学大臣の許可もなく核燃料を搭載しているジャイアントロボを稼働させているため、3年以下の懲役、300万円以下の罰金(の両方の可能性も)がありうるのだ。
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・爆発物取締罰則1条【爆発物使用】
⇒またジャイアントロボは単に、大地を歩き、移動するだけのロボではない。
その指には「ロケット弾」が搭載されており、作中ではそれを用いてギロチン帝王のペットとも言える怪物?「ダコラー」に向けてそれを放ったのである。
(もちろんペットなどという可愛いものではなく、怪物であり、ジャイアントロボで戦わざる負えない状況だったのは言うまでもない。)
ダコラーはギロチン帝王の所有物である以上、他人の財産であり、ロケット弾発射をしてしまった行為は重大な犯罪であり、「死刑もしくは、無期もしくは7年以上の懲役または禁錮」に処すとされるのである。
※被害者である(?)ギロチン帝王は宇宙人であるが、この本においては法律が適用される「人間」と想定して扱われている。
少年A、南十郎に出される判決とは……!?
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ここまでの経緯を見るだけでも、5つ以上はジャイアントロボを起動してしまったがために、2人は法律違反を犯してしまっている。
そしてそれらの罪状を踏まえて出される判決とは……!!
・少年A……無罪!!
あれだけの犯罪行為をしでかしながら、少年Aはまさかまさかの逆転無罪が成立する。
それは、刑法41条「責任年齢」が適応され、14歳未満の行為は罰せられないとされているからだ。
少年Aはその外見などから見るに間違いなく14歳未満(小学4年生、9から10歳と想定)であり、無罪となるが、もちろん何事もなかったとするわけにはいかず、次の処分が想定される。
児童相談書送致⇒家庭裁判所での審理
⇒家庭裁判所で「保護観察所の保護観察」、「児童自立支援施設または児童養護施設に送致」、「少年院への送致」のいずれかの処分を下す
⇒初級少年院は12歳以上からなので、結局、児童自立支援施設へ送致され、生活・学習面での指導を行うことになり
一件落着……でいいのか??
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・南十郎……窃盗の教唆犯として有罪!!
一方の南十郎は明らかに成人であり、有罪が確定する。
ちなみに、運悪く、BF団の秘密基地のある島に漂着し、ジャイアントロボを盗まず飛行して日本へ帰還しなければ、少年Aと共に漂流生活を今後も続けていた可能性は否定できないが、ロボを盗まずとも、無人島で2人で生活できた可能性はあったので、やはり南十郎は窃盗の教唆を免れることは出来ない様である。(ひでぇ)
②マジンガーZ脱税事件!!

マジンガーZ
マジンガーZと言えばもはや説明不要なスーパーロボットの大御所であり「鉄の城」である。
製造者、兜十蔵の孫、兜甲児が飛行可能な「ホバーパイルダー」に乗り込み「マジンゴー!!」の掛け声とともに、マジンガーZの本体(?)に合体することでマジンガーZは動き出す。
全長18m、重さ20t、地上を時速360kmで走行可能、紅の翼「ジェットスクランダー」を装着するとマッハ3で飛行可能なのだ。
マジンガーZは自動車!?そしてそれ故に問題も……
画像出典:ウィキペディアより
「道路運送車両法」に基づけば、エンジンを使って移動可能・移動時にレールを使わないという事から、マジンガーは自動車に区分することができるようだ。
またマジンガーZは横にすることで、ほぼタンクローリー車と同じ大きさと重量であり、自動車の中でも「大型特殊車両」と言えそうだ。
そこで、マジンガーZがそのまま地上を走行すれば、ナンバープレーを当然つけていないため、無許可車両となり、道路運送車両法4条【登録の一般的効力】に反してしまうのだ。

ひび割れた道路
しかし、申請すれば大型特殊車両として認められるか?というとそうではなく、マジンガーZは2足の脚でドシドシ道路を歩いて移動する為、道路は歩くたびに破損する可能性が高く、道路法43条の1【道路に関する禁止行為】に違反する為、道路を走る(歩くのも不可。)となり、車両としての許可が降りない可能性が非常に高いのだ。
さらに甲児が「道路は歩かなければいいんだろ!!ヘン!!じゃあ立ち止まればいいんだ!!「鉄の城」なんだしよぉー!」と言ったとしても、やはり許されない。
画像出典:Pixabayより
道路交通法76条【禁止行為】に違反する交通を妨げる邪魔な物体!!として取り締まられてしまうのだ。
ついでにマジンガーZが京都で立ち止まったとしたら、京都のとの街並みの景観を損ねると判断され、法律では「景観法」、京都の条例「景観条例」にも反してしまうという、動くのは論外、鉄の城としてそびえ立つのも不可と「マジンガーZの存在自体が違反!!(その通りなんだろうけど)」とでも言わんばかりの扱いである。
操縦者、兜甲児は犯罪者。

免許書
マジンガーZが「大型特殊車両」と判断されるとき、そのパイロット&普段は高校生である兜甲児は犯罪者とみなされてしまう。
大型免許は21歳(大型特殊免許は18歳)未満のものは習得不可であり、甲児は17~18歳とみられるため、バイク・普通自動車免許は習得できても大型車両の免許は持てないため、マジンガーZを操縦すれば、道路交通法64条【無免許運転の禁止】に違反してしまうのである。
マジンガーZは戦う兵器でもある故に……

マジンガーZ
道路を走ったり、只そびえ立つだけならまだ可愛げがあるが、マジンガーZはそんな存在ではない、神にも悪魔にもなれる兵器であることは言うまでもない。
それ故にロケットパンチやブレストファイアーをはじめヤバい武装ばかりが満載されているので、製造者である兜十蔵は「武器等製造法第4条」【製造の許可】にもろに違反するのである。
とは言え極秘裏にマジンガーは開発されただろうし、兜十蔵は死去してしまうので法で裁くこともできないが、残されたマジンガーZ、その武装を見ていけば余罪追及が可能であり、兜甲児は……。
マジンガーZの主な武装とその罪状
・ロケットパンチ
⇒腕は遠隔操作で、許可なく飛ばされるので、航空法99条の2【飛行に影響を及ぼす恐れのある行為】に違反。
・ルストハリケーン
⇒酸の液を吹き付け敵の装甲を脆くする技なので、刑法118条【ガス漏出等及び同致死傷】1項に違反。
・ブレストファイヤー
⇒この必殺技を用いて機械獣を撃破すれば、刑法110条「建造物等以外放火」1項に違反。
・アイアンカッター&サザンクロスナイフ
⇒刃渡り15cm以上の装備をしているので、「銃砲刀剣類所持等取締法3条1項」【所持の禁止】に違反。
・フィンガーミサイルの使用
⇒ジャイアントロボの「ロケット弾」しようと同じく、爆発物取締罰則1条【爆発物使用】に違反し、
「死刑もしくは、無期もしくは7年以上の懲役または禁錮」になる重罪である。
(スパロボ等のゲーム的にはマジンガーZのミサイルは他の武装に比べ威力が低めだが、法律レベルでは一番重いかも……。)
兜甲児への判決
法律違反の塊とも言えるマジンガーZに乗っている兜甲児だが、年齢を考慮すると少年犯罪であり、家庭裁判所での少年審判を経たのち、余りに重罪であることから検察庁へ送られ、刑事事件として裁判を行うことはほぼ間違いないようである。
なお、マジンガーZ最終回にて甲児はNASAへ留学という名の高跳びをしたので、余計に罪状が増えそうである……。
武装集団「光子力研究所」への処罰も重い。
画像出典:ウィキペディアより
マジンガーZもこの研究所も兜十蔵が作り上げたが、機械獣に対抗するためとはいえ、マジンガーZ以外のロボットや、戦闘機配備、戦車、実弾入りピストルを持つガードマン、所内をレーザー砲で武装、バリアを展開などなど、日本国憲法で許されていない軍備をそろえてしまっており、もはや法律のはるか上、憲法違反となっている武装集団である。
それ故に、この武装集団たる研究所がある所の近隣住民は、平穏な生活を乱されるという理由で、研究所の稼働差し止めが可能であり、機動隊による研究所突入が行われても、所長である弓教授は文句は言えないのである。
マジンガーZ没収の危機!?
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マジンガーZの操縦者、光子力研究所の関係者が全員逮捕されたとき、「ムジンとなったマジン」はどうなってしまうかと言えば、刑法19条の1【没収】に基づき警察に押収されてしまうのである。
ただし、武装がないボスボロットだけは、頑張って言い訳をすれば没収を免れる望みがあるが、だからなんだ……。
マジンガーZ没収を避けるためには……?
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・武装をすべて排除し、光子力研究所の敷地内から一歩も出さない&飛行禁止
⇒道路に出ないので免許関連の問題はすべて消える。
だが、ホバーパイルダーは飛行してマジンガーZの本体と合体するので、マジンガーZ自体が稼働できない……。
・光子力研究所の庭のオブジェにする。
⇒もはや存在意義が……。
・機械獣と戦おうとも、マジンガーZ&研究所ともどもその存在を人々に知られてはならない。「バレなきゃ犯罪じゃない」
それでも、マジンガーZは必要!!
画像出典:フォト蔵より
このまま法律通りだとマジンガーZ、光子力研究所の関係者は単なる犯罪者集団とその武装で片付いてしまうが、それでいいのだろうか?
良いわけがない!!
そもそもドクターヘルが人類共通の敵として現れなければマジンガーZは必要ない平和な世界だったのだから。
それ故に、マジンガーZ、兜甲児、光子力研究所の関係者等に対しては、刑法36条「正当防衛」が適応されると考える救いがあるのだ!!
正当防衛には自分たちだけでなく「他人」を守る為であることも含まれている。
この「他人」とは拡大解釈をすれば、友人・家族だけにとどまらず、日本という国まで含むことができるのだ。
とは言え、武装組織が勝手に日本や国を防衛するために戦うのは許されないことであり、その役目は警察や自衛隊が行うべきなのである。
だがしかし、ドクターヘルが機械獣を使って日本に攻め入った時、役目を果たす存在たる警察や自衛隊に機械獣を倒すことができたであろうか?
否、警察や自衛隊には手に負えず、マジンガーZだけが、世界で唯一機械獣に対抗ができた存在なのである。
国家という不特定多数の人々=「他人」を守る為、「個人」、兜甲児、そしてマジンガーZはドクターヘルと戦ったのだ!!
よって、マジンガーZとその関係者は無罪である!!と主張できるのだ。
意外ッ!!それは相続税ッ!!
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仮に正当防衛が認められ、マジンガーZとその関係者への法的違反が解消されても、
別の法律的視点から、マジンガーZ没収はあっけなく実現してしまう。
マジンガーZは兜十蔵が作り上げた私有財産であったが、十蔵がドクターヘルの手下に襲われ死ぬ間際、甲児にマジンガーZを譲渡し死去する。
そこで当然、十蔵の遺産であるマジンガーZを受け取った甲児は相続税を支払わなければならないのである。
相続税の金額
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マジンガーZは超合金Zという架空の金属で作られているが、これを高価なプラチナに置き換えて、この本での計算によると、プラチナ1kg=478万3000円×マジンガーZの重量20トン=956億6000万円がマジンガーの価格となる。
ここから複雑な計算をすると支払額は「477億5288万」となりこれを支払わなければならないのだ。
もし、高校生である甲児には支払えない額であるため、光子力研究所に贈与した場合は、「贈与税」がかかり、研究所は478億2720万円を支払わねばマジンガーZは没収されてしまうのだ……。
税からはジェットスクランダーを使っても逃れることはできん!!
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もしマジンガーZの相続税を支払えない場合には、相続税法41条【物納】に従い、マジンガーZは没収されてしまうし、支払えないからと逃げ出せば、「国税徴収法47条」【差押の要件】に基づき税務署に差押され公売に出されてしまうのだ。
いずれにせよ、税金からは無敵のマジンガーも逃げ出すことはできない。
これが現実であり、マジンガーZにとっても、最強の敵はお金、資本主義だったのである。
エイトマン、速度違反事件!!
画像出典:Wikimedia Commonsより
主人公、警視庁の刑事「東八郎」はあるとき強盗に殺されてしまうが、谷博士によりス―パロボットの電子頭脳に東の人格が移し替えられ、「エイトマン」としてよみがえり活躍する作品である。
そんなエイトマンだが、彼はスタープラチナのように放たれた弾丸を掴みとったり、弾丸よりも速く走れるスーパーヒーローであり、走る速さは秒速1km(マッハ3)と凄まじい。
当然、速度制限のある道路でエイトマンが走ろうものなら、道路交通法に違反するのは目に見えているが、ここで問題があるのだ。
それはエイトマンが「ロボットだから、マシンだからだだだっ!!」という事なのだ。
そう、エイトマンはロボットであり、ロボットは「物」だから、物が何をしようと法律に違反しようがないのだ。
よって、エイトマンが速度違反をしようとどうしようもない。おわり。
製造者に責任を!!
画像出典:フォト蔵より
それでいいわけはない!!
エイトマンがダメならば、それを作った谷博士に道路交通法76条違反の罰金を払ってもらおう!!と思ったが、この谷博士、ロボットである。
………。
危険な物はどかしてしまえ!!
画像出典:Wikimedia Commonsより
道路交通法82条によれば、警察署長は道路にはみ出したコーンやバリケードなどを撤去できるし、それらの持ち物の持ち主が不明なら警察署長は勝手に取り除くこともできるのだ。
しかし、エイトマンは「警視庁の刑事」だから警察署長が除去するのかと言えば……。
結論、エイトマンはロボットだから……
画像出典:Pixabayより
エイトマンが暴走しようと、現在の法律ではロボット=物は裁けないから、何もできない。
もしエイトマンがサイボーグで元人間だったり、ライダーベルトで変身した人だったりすれば、法律違反になる可能性はあるが、スタンド(幽波紋)とは違い、こちらは見えても「法で裁くことはできないのだ」
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まとめ
- ・ロボット作品に少年少女を乗せたがるのは、犯罪として成立させないため!?もちろんまわりの大人は責任を負う。
- ・無敵のマジンガーも「お金」の前には為す術なし、スパロボで破乱財閥があるのは正しい判断だった。
- ・法律はロボット作品のロマンぶち壊しな要素もあるが、実際には必要であり、「現実的」視点から考察してみるのも一興。
- ・ロボット自体を裁けないなら、その業を誰かが(人間)背負うしかないのが現在の法律。
- これからもロボットは人々の生活に大きく関わるだろうから法整備が重要になってくるのは間違いない。

