火星はガンダムやナデシコ等のロボット作品では人類の活動拠点の一つであることは当たり前。
ロボット・SF作品などではすでに人類は地球を飛び出し、宇宙にも進出し、その1つとして火星が拠点になっていることも多い。
そんな火星での居住は2次元の世界ではもはや当たり前であり、
何ら不自然ではないが、現実ではまだまだ遠いこと、庶民にとっては憧れにはなっても、おいしいご飯の方が気になる程度のことである。
しかし、オバマ大統領は2030年までの人類の火星到達に言及し、NASAでは火星での稼働を目指すロボット「ヴァルキリー」の改良が進められている。
また、欧州探査計画「エクソマーズ」 は火星到達し、(個人的には不安な)中国も宇宙開発や火星探査に向けて準備が進んでいるという。
どうやら、宇宙移住は机上の空論ではなく、着々と現実味を帯びているのである。
そんな中もし、人類が火星に向かうことになった場合には3つの大きな課題が考えられるのだ。
人類の火星での活動における3つの課題
火星への往来技術の確立
現在は、探査機やロケットの打ち上げなど、地球から火星へ向かう技術はある程度目途がついているというが、問題は火星から地球への帰還である。
特に宇宙船耐熱性の確保が問題で、スペースシャトルであれば、大気圏突入時の表面温度が1500℃程と(まだ)対処できる。
しかし火星へ向かうような、惑星間航行を行う場合は、大気圏への突入速度が速いことが影響し、一気に困難となる。
例えば人工衛星「はやぶさ」は、まさに惑星間航行を行ったが、速度の速さに伴い外の温度も上昇し、探査機本体の表面温度は3000℃以上にもなったという。
画像出典:https://blogs.yahoo.co.jp/yqsbc547/63658935.htmlより
↑ザクⅡ程度の宇宙船では船体も、乗員も無事では済まない
そこで、有人飛行の場合は表面温度だけではなく、当然内部の温度も上昇することから、それら抑えつつ、大気圏突入ができる宇宙船が重要となるのだ。
火星での持続的な生活方法
宇宙は無数の放射線が存在するが、地球では大気があるため、大気が放射線のバリアとなり生物の生存が可能である。
しかし、火星では、地球よりも大気が薄く、ダイレクトに放射線が我々に迫るのだ。
画像出典:Pixabayより
この放射線対策に関して現在は、その方法が確立されていないという。
東日本大震災で、原子力発電所から濃度の高い放射線が外部に漏れ、日本・世界中も大騒ぎであり、現在も解決に至っていない。
もし火星に住むということになれば、この危険に人々は常にさらされなければならないのである。
画像出典:Pixabayより
また、地球には当然にある「酸素(空気)」や「水」のライフラインの確保もできていない。
酸素はともかく、水に関しては火星の地下に含まれているとされているが、その取り出し方や活用方法にも課題が多いのである。
莫大な費用
古今東西、貨幣制度が確立してから人類は常に「金欠」という恒常的な病と向き合ってきた。
それは当然、宇宙開発だろうと例外ではなく、人類の課題は「金」であることに変わりない。
画像出典:Pixabayより
現在、火星に向かう前に、月面で実証実験を重ねてから行うべきだ、という考えが国際的には多いようだ。
なぜならば、上記2つで上げたような火星へ向かう際の課題もあるし、身近な衛星月においても。人類は長期間生活した経験がないということもあるからだ。
もちろん火星に向かうのも予算がかかるが、その前段階、月面での実証にも莫大な予算が必要であり、
一国では(金銭的にはもちろん、技術的も)とても達成できないプロジェクトとなるのだ。
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まとめ
米国の起業家イーロン・マスク氏は、2020年代に火星移住を実現するとし、NASA2030年代に火星に人類が到達するとしているが、JAXA 的川泰宣名誉教授によれば、早くても2050年代以降ではないかと推測されている。
画像出典:Pixabayより
つまり、人類がここ数年以内に火星で本格的に活動するには、「マクロス」や宇宙人からのオーバーテクノロジーがなければ、不可能に近いと言えるだろう。
とは言え、我々が、地球というゆりかごを離れ「宇宙世紀」を迎える時代がいつか本当に来るかもしれない。
庶民以下である著者には未だ縁遠い話であるが、期待したい。